COLUMN
コラム

アナーキー開発ストーリー

2024年9月にラバージグ「ANARCHY/アナーキー」が発売されます。

左:アナーキー パワーフレア 右:アナーキー

Q.製品開発のきっかけや背景にあった課題とは

アナーキーを開発するに至ったきっかけは、バスフィッシングの楽しみ方の1つである「カバーの攻略」。カバー攻略の代表的ルアーが”ラバージグ”であり、バスフィッシングを行う上でラバージグはなくてはならない道具です。

ラバージグなどに代表される「バスフィッシングの基本」となるようなルアーを使った釣りの楽しさを知っていただきたい(思い出していただきたい)という思いから開発がスタートしました。

背景にあった課題は主に2つ。1つは「基本性能(カバー回避能力)を引き上げる」、もう1つは「”ジグスト”テクニックにも対応する」という課題でした。

R&Dスタッフ

基本性能(カバー回避能力)を引き上げる

R&Dスタッフ:アーキータイプのラバージグにとってカバー回避能力は無くてはならない要素です。カバーへの侵入及び、回収時の不快なスタックなどを軽減するために、ラインアイの一部を樹脂で覆う構造を採用しました。
これは、パワーフィネス用スモラバのビークに採用した構造であり、回収時に張り出した樹脂部がラインの結び目よりも先に障害物に触れることで、余計なスタックとルアーの横倒れを軽減します。
また、ブラシガードの形状や本数、角度も徹底的にこだわりました。各ウエイトによってフックサイズが異なり、使用するタックルバランスが異なります。故にブラシガードの本数と角度をウエイト毎に調整しています。ブラシガードの形状は楕円形状にしており、ルアーが横倒れした際にフックポイントがストラクチャーへコンタクトしないよう、幅広い範囲をガードする形状にしています。

ブラシガード形状
フックサイズ比較

”ジグスト”テクニックにも対応する

R&Dスタッフジグをストするテクニックに対応するため、ヘッドを低重心化しました。これは姿勢の安定化に繋がり、結果的にストした際にヘッドがクイックに上下し、ブレのないストアクションが可能になりました。
※姿勢が安定しないジグは、ストアクション(ヘッドが上下する)が綺麗に出ない、つまり左右に動いたりヘッドの上下アクションにクイックさがないということです。

Q.製品名の由来や意味

プロトタイプ

以前、ジャッカルに存在していたスペードジグの生産ができなくなってしまってから幾ばくか経過し、新たに誕生する事となったアーキージグ。

 

サブタイトルにもある通り、-There is not just one answer,an arkie jig.- アーキージグに対する答えは必ずしも一つではないと感じており、現に世の中には一般に普及している物からアメリカの超ローカルモデルまで様々なアーキージグが存在します。

アーキージグというジャンルに対するJACKALLとしての「1つの答え」という意味合いをネーミングに込める際に、冠詞のA(ひとつの)をつけたArkie JIG→母音から始まるのでAn Arkie=ANARCHY(読:アナーキー) というネーミングに至りました。
また、カバーを打つことジグストも対応可能な2刀流ジグ(使い方は1つではない)という意味も込められています。

単語にしてみるとやや強い印象のあるネーミングですが、ジグそのものは非常に優等生な仕上がりになっています。アーキージグを昔から使っていらっしゃる方も、まだ使ったことがなかったり釣ったことが無かったりする方も、ラバージグというジャンルの道具としての優秀さや、特有の強い明確なあたりを捉える楽しみを是非味わってください。

Q.開発過程で苦労した部分

スルスル抜けるラバージグは釣れる気がしない

R&Dスタッフ:昔からラバージグに抱いていた感覚的な要素であり、一概に正しいとは言えませんがそんな気がしています。
適度にカバーにコンタクトしつつ、誘っている際はルアー全体で水押しが欲しい。しかし回収時はスルスル抜けてほしい。この相反する要素を再現する事が難しかったです。
感覚的な要素になり、「こうしたら、こうなる」といった物理的な要素ではないためです。
結果的にはヘッド形状であったりラバーの本数、太さであったりと、複合的な要素でニュアンスを再現しました。

ヘッド形状

R&Dスタッフ:ラインアイの一部を樹脂で覆う構造を採用していますが、覆う範囲によってデメリットになることもありました。
覆いすぎると逆にスタックする頻度が増えストレスに感じてしまいます。快適に扱う事が可能になる「ちょうどいい」範囲があり、数多くテストした箇所でもあります。

ヘッド形状

Q.開発中のエピソード

R&Dスタッフ:何度か藤田プロと真冬にテストを実施し、一日1匹釣れれば御の字といった状況でしたが50cm近いバスが出迎えてくれたことがありました。
最新魚探を駆使せずともデカバスにめぐり会えた記憶は、今でも鮮明に残っています。
この時のテストでは、フックの形状を調整したサンプルの評価でしたが、調整したこともあり最適な位置にフッキングが決まっていました。(このサンプルの前のサンプルは、口の中でフックが滑ってしまい浅い掛りになっていた。)

Q.具体的な使用シーンや活用方法

R&Dスタッフ:基本的にはカバーを打ってください。
ただ、ラバージグはカバーを打つ以外に様々な使い方が可能です。リビングバニーを装着したジグストや、リズムウェーブをトレーラーとしての巻きなど、意外といろいろな使い方が出来るのがラバージグです。

2024年9月発売予定のリビングバニー
リズムウェーブ

Q.他に伝えたいこと

R&Dスタッフ:ラバージグという昔から存在するルアージャンルではありますが、昔から存在するがゆえに魚の本能に訴えかける要素を持っているルアージャンルだと改めて感じました。
また、魚の本能に訴えかける系のルアーの研究は継続して行って行きたいです。

 

以上がアナーキーの開発秘話でした。たくさんのこだわりが詰まった高性能ラバージグ、「アナーキー
ぜひ、お手に取っていただき、込められた想いや効果を感じていただけたら幸いです。

デリバリーは2024年9月を予定しています。お楽しみに!