COLUMN
コラム

シーズン先取り、東京湾タチウオ探検釣行へ

皆さん、こんにちは。吉岡進です。

今回は一足お先の東京湾タチウオゲームをご紹介いたします。

東京湾のタチウオは、去年爆発的に流行ったテンヤの釣りでドラゴンサイズが揃うことから今や大人気の釣り物です。例年ですと6〜7月のいわゆる「夏タチ」から始めることが多いのですが、今回は一足先に様子見としての釣行です。仲間内で走水・高取丸さんを仕立てて、開発中のテンヤ用ロッドや、アンチョビメタルの新色・ベイパープル/ピンクグローエッジのテストを兼ねて、状況をチェックしてきました。

 

結果はずばり、手強かった!。

僕はいつも「気まぐれな猫を、どうやってネコジャラシでその気にさせるか」というイメージでタチウオ釣りをしていますが、今回のタチウオはまさに気まぐれ。広い層に散らばっていて、まず食ってくるタナを見つけることがまず一苦労です。

水深70m前後のスポットで、魚群探知機を見ている船長の指示ダナは海面から50〜40mほど。その辺りで群れているのは間違いないのですが、やる気のあるタチウオはもう少し浮いていたようです。結局は指示ダナから海面まで誘い続けるような釣り方でした。

 

しかも、誘いのパターンがなかなかつかめず…。通常なら1本釣れたら、それと同じタナ誰かのテンヤが入るとアタリが出るのですが、今回はその状況が少なく、そこに居るタチウオが瞬間的にスイッチが入るだけのパターン。ということは、アタリが一回出てもその一回で終わってしまう事もしばしばという厳しい状況でした。

「誘いパターンがつかめない」というより「パターンそのものがなかった」が正しいかもしれません。それでも数少ないアタリから、早い動きに反応して食ってくる傾向を掴み、広い層を早く探るのが苦手なテンヤではありますが、早めのリーリングスピードで2回巻いてピタッとポーズ、あるいは3回巻いてポーズという、素早いストップ&ゴーで広い層を探り活性の高いタチウオ、あるいはスイッチが瞬間的に入るタチウオを探して行く釣り方が効果的でした。

 

そして開発中のテンヤロッドの仕上がりもいい感じで、もっと釣り込んで皆さんの元へお届け出来るようテストしております。お楽しみに!

 

ただ、テンヤの早い動きについてくるタチウオは、サイズがやや小ぶりになってしまう事が多く、他の同船者の様子を見ていると、ゆっくり巻きの方が大型が釣れる傾向でした。スローなタダ巻きはテンヤタチウオの基本的な誘いのひとつですが、スローテンポなのでタナを探るのに時間がかかるのが難点。

 

アタリを減らしてでも型を狙う釣りか、アタリを増やして数の中に大型が混じればラッキーな釣りのどちらも可能性を信じてやり切る事が大切で、うまくハマッた時はテンヤならではのビッグサイズが食ってきます。

一方のジグは、広い層を手っ取り早く探れる利点を生かして、アタリを多く出すことができました。今回使ったのはアンチョビメタルType-Ⅰのベイパープル/ピンクグローエッジ。Type-Ⅰはテール重心設計なので素早く落として素早く探れて、特に今回のようにタナが散らばっている時には最適。

 

また、僕のセレクトカラーでもあるベイパープル/ピンクグローエッジは、紫とピンクの2トーンでシルエットを小さく見せる効果があります。タチウオのジグ選びでは「ナチュラル系? それともアピール系……?」と悩むシチュエーションが結構多いのですが、両方の要素を備えているベイパープル/ピンクグローエッジならこれ1本で「いいとこ取り」が可能。先発ジグとして使ってもらえるカラーだということを改めて確認できました。

 

やはり東京湾には沢山のジギンガーが居ます。

ジグだけでやり通せば、数はもっと伸ばせた状況だったと思いますが、このあたりがタチウオ釣りの面白さでしょう。今回は仕立て船だったので何でもアリでしたが乗合船でもテンヤ、ジグのどちらもOKという船宿はあります。釣行前に確認して、可能なら両方のタックルを持ち込むと釣果につながるでしょう。

 

また、テンヤオンリー、ジグオンリーだとしても、それぞれの釣り方の中でスローがいいか、クイックがいいか、状況は目まぐるしく変わります。また、テンヤでもエサのイワシが大きい方がいい時、小さい方がいい時がありますし、ジグでも大きめのシルエットがいい時、コンパクトなシルエットがいい時、ジグの形状で食いが全く変わります。

 

タチウオ釣りはテンヤ/ジギング共にが食ってくる釣り方を見つけるのが最高に面白いんです。そしてフッキングに成功した時の「ズドンッ!」「ドスンッ!」という強烈な引きの強さには、毎回テンションが上がります。

 

今回は時期的にまだ早かったので試し釣りになりましたが、これから夏に向けてどんどんタチウオの群れが固まり、もっと釣りやすくなります。そうそう、僕が釣ったタチウオは小ぶりながら食べてみたら、脂ノリノリで最高に美味でした。

 

皆さんもぜひ、釣って楽しい、食べて美味しい東京湾のタチウオゲームに挑戦してみてください。