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デザイナー直伝!!ジミーヘンジを使いこなす!!性能を100%引き出す完全解説書/横山朋毅

皆様こんにちは、ジャッカル社のジミーシリーズルアーのデザイナーをしています横山朋毅(よこやま ともき)と申します。

2023年6月に私が開発したジミーシリーズの第1弾「ジミーシュリンプ3.8インチ」を発売、同年12月に第2弾の「ジミーヘンジ42」を発売し、その後それぞれのサイズ違いなどの派生モデルも誕生しました。発売から多くのアングラーから釣果情報を頂き、嬉しい限りです。

ジミーシュリンプ
ジミーヘンジ

今回は、ジミーシリーズでもロケット形状ボディーに5本のフラットアームの組み合わせというデザインが特徴的な「ジミーヘンジ」について詳しい使いこなし方解説させて頂きます。

ジミーヘンジ開発の狙い

まずは、ジミーヘンジがどんなことを狙ったソフトベイトなのかなぜこのような特殊形状になったのかを解説いたします。

近年のメジャーフィールドでのバスフィッシングを取り巻く状況は、SNS等の情報の拡散スピードの高速化とそれに伴うアングラーのハイレベル化により生息するバスはありとあらゆるルアーやアプローチ法で常に狙われており、結果的に居るにも関わらず非常に口を使いづらい、いわゆる「ニュートラル化」した個体の比率が格段に上がっています。

スローダウンさせればさせるほどバスがルアーを見切ってしまう、かといって横方向に動き続けるファーストムービングルアーに反応する程にはバスに勢いが無い…こんな極限のニュートラル状態を打破するには小粒なルアーの瞬間的なムーブとストップという緩急の組み合わせが劇的に効果があることを経験から知っていました。

代表格は小型サスペンドルアーのトウィッチ&ポーズなのですが、最近のバスはそれすら見切る場合が増えて、何よりトリプルフックの付いたハードルアーではカバーの際どいスポットやオーバーハング奥を攻めるのはアプローチの時点で非常に難易度が高くなってしまいます。

特徴的な形の理由

ジミーヘンジはそんな状況でもマスバリタイプのフックにチョン掛けするだけのノーシンカースタイルで簡単にアプローチでき、フロントのカップ部がシャッドやミノーのリップと同様にスピードのあるトウィッチやジャーク後即座にブレーキが掛かる事で動きが流れずバスの見切りを防ぐ事を狙いました。

更にボディーの周囲に配置された5本のフラットアームが緩急を作り、動きの中で常にシルエットを変化させ、シャッド等のハードベイトには無いソフトベイトならではのメリットも持ち合わせています。

小粒なボディーの中にバスの側線を刺激し気付かせる水押しでのアピールとアームの形状変化での視覚的効果、更に回収中の回転を防ぎ飛距離とコントロール性を確保する為の尻が尖ったロケット形状という「釣る為の機能」を盛り込んだ結果、ジミーヘンジは今までに無い異形のソフトベイトになりました。

こうして出来上がったジミーヘンジは初期プロト段階でのテストからその威力をいかんなく発揮。

特に三重県・三瀬谷ダムの上流域にあるジンクリアなバックウォーターを徘徊するビッグバスや、オーバーハング下に浮くポストスポーン個体を狙いすましたキャスト一撃で仕留められたことは、キャストでのコントロール性と緩急アクションのキレ、見切らせない形状とそのシルエットの変化など、複数の釣るための機能を併せ持っているからこそと確信するに至りました。

ジミーヘンジの能力を最大限に発揮するために

さて、そんなジミーヘンジのノーシンカーリグですが、よりストレスなく思い通りに操作する為に大切なのはタックルセレクト。

◆ロッド

ロッドは、キレ良く緩急の付いたトゥイッチアクションをジミーヘンジに与える為にやや張りのあるチューブラーのスピニングロッドの6ft~6ft 6inchのライトアクション程度の物を推奨します。

◆リール

リールは軽量なスピニングリールならノーマルギヤでもハイギヤタイプでも良く、ラインはフロロ3~4lbクラスの通しでも良いですが、できれば伸びの少ないPEラインの0.3号、もしくは0.4号にフロロリーダー4~5lbクラスを1~1.5mほど接続するとセッティングは飛距離やアクション、強度の面でより最適と言えます。

◆フック

フックは各種マスバリタイプの5~4番クラス。ジャッカルから2025年に発売されるノーガードマスバリタイプのBESTIE/ベスティーがオススメです。

ワームのサイズに対してやや大きめに思われるかもしれませんが、ジミーヘンジのボディー直径に対して同じかやや大きい位のゲイプ幅を持つフックを合わせるのがフッキング率アップに繋がる大事なポイントです。

フックセッティング法は以下の写真を参考にしていただくのがベスト。
フロントカップ内の突起すぐ横から刺し、カップのエッジ部にかけて抜くのが私の方法です。
フックが左右にグラつかなくなり、身切れも最小限に防ぎます。

このタックルセッティングはノーシンカーでの使用だけではなく、5~7gのシンカーを用いたリアクションダウンショットリグでの使用においても同様に使用しており、キレの良い緩急を付けたアクションをノーシンカーでの横方向ではなく、シンカーの重さを活かして上下縦方向に行っています。

◆リーダー

リーダーの長さはその時のバスの反応を見て調整していくのですが、やや長めの60~70cm程度から始めていくのが私の方法です。

ノンソルトマテリアルで作られたオリジナルモデルのジミーヘンジ42及び50は以上のような使い方ですが、派生モデルとして誕生した塩入高比重マテリアル製のジミーヘンジ42パワーソルトにおいてはノーシンカーでのポーズを入れない連続トウィッチや連続ジャーク、ボトムストラクチャーに絡めてのロングステイ(場合によってはそこからの1ジャーク)という両極端な使い方で使っています。

このパワーソルトモデルの登場で今までオリジナルモデルでは扱いが難しかった強風下でもジミーヘンジのノーシンカーをストレスなく扱えるようになりました。

以上、発案・デザイン・テスト全般を行った私・ジミー横山が解説するジミーヘンジの使い方の基本でした。

小粒の物が素早く動いてピタッと止まる事でニュートラルなバスに思わず口を使わせる「フィネス・リアクションコンセプト」。

ジミーヘンジは使い手の意思一つでスレ切ったビッグフィッシュをも翻弄するマニュアルコントロール性を持ったスペシャルベイトです。

また、抜群の扱いやすさも併せ持っていますので、使い方がわからずまだ使ったことのないアングラーの方はまずは小型サスペンドプラグのイメージでノーシンカーリグのトウィッチ&ポーズをお試しいただき、その威力を体感していただきたいです。

◆参考動画

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