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COLUMN
コラム

線と点 〜2021 トップウォーター最前線/前編〜

日本のバスフィッシングの中でもトップウォーターゲームといえば娯楽性の強いカテゴリーとして認識されてきたが、昨今では確実に釣果を求めるトーナメント戦略や、ハイプレッシャー下でバイトに持ち込むための極限の釣りとしての認知が強まっている。

その中でも代表的なものが”i字系”。表層や水面直下を直線かつ同じスピードで巻いてくることで、バスに違和感を抱かせない為にアクションの乱れを徹底的に排除する”静のアクション”を突き詰めたメソッドである。当初はコアなアングラー達の間で密かに使われていたこのテクニックも、今やビッグベイトやパワーフィネス同様に市民権を得て各地のフィールドで用いられる様になった。

そして、もうひとつのメソッドが”一点シェイク”。狭いスポットで移動距離を抑えた細かいアクションで誘うもので、弱った小魚をイミテートする。極限まで人為的な違和感を排除するi字系に対し、ロッド操作によるアクションを与え続ける”微動のアクション”でバスを浮かせてバイトに持ち込むものだ。

いわば、線と点の違いはあれど、その実釣性能は極めて高く、現在のバスフィッシングにおいて無視できないメソッドとして注目を集めている。

今回は、ジャッカルチームの中でもふたつのメソッドに造詣の深い3人に、i字系とピクピクについて語ってもらった。トッププロ達が考える最先端のトップウォーターゲームの世界を紐解いてみよう。

 

Case of 加藤誠司
“サーチのi字系。食わせの”一点シェイク”。重要なのは自分のリズムを見つけること”

まず最初に登場するのは”Mr.JACKALL”加藤誠司プロ。

加藤プロの代名詞といえば、クランクベイトやバイブレーションなどの巻物系ルアーやサイトフィッシングが知られているが、i字系やピクピクについても造詣が深いエキスパートの一人。その卓越した技術と経験は、NAGISAやiシャッドクリオ、さらにピクピクの製品開発にも活かされている。

そんな加藤プロが2つのメソッドの基本的な使い分けについて聞いてみた。

 

「基本の考え方は、i字系は広範囲を効率よく探る釣りで、一点シェイクはバスが着いているであろう障害物や地形のピンスポットで水面に寄せて食わせる釣り。

通い慣れた釣り場で、最初からここに居るというのが分かってるならピクピクからスタートというもの有りだけど、どうしても時間がかかるのでi字系からアプローチすることが多いね。」

トーナメントアングラーである加藤プロが釣りをしながらボートを流すスピードは、一般アングラーが想像するより遥かに速い。広範囲を効率よくチェックしながら良いスポットを絞り込むというスタイルを磨き上げた結果であり、どうしてもワンキャストに時間がかかってしまうピクピクは、絞り込んだ上での次の一手となることが多いという。ただし、ここで重要なのは、i字系だけあれば良いのではなく、それだけでは釣りきれないバスを絞り出すために、ピクピクは必要不可欠なルアーなのだ。

 

「もうひとつはバスが反応する動きを把握することも重要。横方向への動きに強く反応する状況下ではi字系にアドバンテージがある。ただ、皆がi字系ばかりやっているとスレて反応が極端に悪くなることがあるので、そういう場合はピクピクの方が良くなる。」

この横方向に強く反応することは、その状況下でメインに捕食しているエサが影響することが多い。例えば琵琶湖の場合、初夏からコアユをメインに捕食している場合はこの傾向が強く、産卵後に体力を回復し活発に捕食モードに入るタイミングとコアユの生息域がリンクする事で偏食化し、横方向への反応がよくなるというわけだ。

 

「i字系と一点シェイクの両方に共通するのは、どちらも自分なりのリズムを見つけること。i字系ならアクションに乱れなく一定速度で引いてくるために、リールの巻き方とセッティングが重要。かたやピクピクも釣れるシェイクというのが存在しており、これは個人ごとに違う。

言葉で表現するのは難しいが、シェイクのピッチが速いより、ラインスラック(糸フケ)が出た状態でもしっかりルアーが震えるアクションを狭い移動距離で出せるのが理想。シェイク速度の速いマイクロピッチシェイクではルアーが移動しすぎたり、ラインスラックにロッドアクションが吸収されてちゃんとルアーが動いていなかったりすると、バイト率は激減してしまう。適度な弛みとしっかりした波動のバランス感が大切。」

この釣れるリズムを再現するのはなかなか難しい。正確なキャスティングやボート操船同様に実戦での練習を繰り返して、自分の身体に刻み込む必要性がある。また、これを安定して生み出すためには、専用タックルを使用することが有利になる。

2021年に登場したPOISON GLORIOUS 267UL+は、加藤プロのイメージを具現化したi字系用スピニングロッド。これまでは熟練の技術が必要とされていたキャストのしやすさやアクションの安定性という必要不可欠な要素をロッドの機能がカバーしてくれる優れものだ。

また、ピクピクにはプロトモデルを使用。個性的な調子の設計で、移動距離を抑えながら正確なテンポでアクションを刻めるのが特徴。加藤プロからも「使いやすくて釣れるアクションを再現できる唯一無二のロッド」と称されている右腕的存在といえる。

【KATO’S TACKEL / NAIGISA 65SP】

ROD:POISON GLORIOUS 267UL+(JACKALL X SHIMANO)

REEL: ヴァンキッシュ C2000HG/C2500HG(SHIMANO)

LINE: Red Spool(フロロカーボン) 4〜5lb

         PE0.4〜0.6号+ Red Spool(フロロカーボン)5lb

LURE:NAGISA 65SP

 

【KATO’S TACKEL /i Shadクリオ】

ROD:POISON GLORIOUS 267UL+(JACKALL X SHIMANO)

REEL: ヴァンキッシュ C2000HG/C2500HG(SHIMANO)

LINE: Red Spool(フロロカーボン) 2.5〜4lb

         PE0.4号+ Red Spool(フロロカーボン)5lb

LURE:i Shadクリオ

 

【KATO’S TACKEL /PIKUPIKU】

ROD:プロトモデル(JACKALL X SHIMANO)

REEL:ヴァンキッシュ C2500HG/2500HG(SHIMANO)

LINE: PE0.4〜0.6号+ Red Spool(フロロカーボン)6〜7lb

LURE:PIKUPIKU 65/78

 

すでにシステムとして確立されている加藤プロのトップウォーター戦略は、公開されているのは、まだほんの一端に過ぎない。つい最近も加藤プロのSNSでも様々なサイズやシルエットのプロトタイプのNAGISAシリーズが投稿されて注目を集めたが、今回のインタビュー時も見慣れないルアーがボートデッキに置かれていた。まだまだ進化を続ける加藤プロのトップウォーター戦略から目が離せなさそうだ。

中編へ続く

*次回更新は6/5予定