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【田中亜衣の鯛ラバアカデミー Vol.3】 エリア別 鯛ラバカラーの傾向と対策とは?

皆さん、こんにちは。田中亜衣です。

前回の鯛ラバアカデミーでは、内海と外海、近海のホームグラウンドと遠征にわけて私のタックルボックス紹介をさせていただいたところ、非常に多くの反響がありました。普段はなかなかここまで掘り下げる機会もないので、皆さんも興味をもっていただいたことは嬉しい限りです。

今回は、私がよくいただく質問のひとつである「●●に鯛ラバに行くのですが、何色が釣れますか?」という事について、さらに突っ込んで各エリア別に分けたカラーやネクタイ、ウエイトセレクトについてご紹介させていただきます。

鯛ラバゲームとはいうものの、エリアごとに釣り場の特徴は異なり、それに合わせて有効的なカラーも異なります。確かにオレンジやレッドというエリアを選ばず普遍的な実績カラーは存在しますが、さらに釣果を伸ばすには状況には状況に合わせたローテーションが不可欠。ネクタイのラインナップにある真っ黒レッドフレーク、超ケイムラ偏光パールやイカグローなどのカラーもローテーションの一翼を担う存在であり、状況によっては圧倒的な差がつくことがあるのです。

今回のコラムはこれまでの私の実釣経験に基づいたセレクトですので、ぜひ参考にしてみてください。

【最初の一歩。カラーとネクタイセレクトの基本とは?】

私のセレクトの基本は前回のコラムで詳しく紹介したので、まずこちらを御覧ください。

【田中亜衣の鯛ラバアカデミー Vol.1】タックルセレクトはこれでOK(近海 内海&湾 編)

 

大まかにまとめると、まずカラーの前に形状をセレクトして、次にカラーをセレクトします。

その中でもエリアを選ばない基本は、形状はティープラスラバーではサーチベイトとしてフィネスカーリー。それより活性の良い(イワシパターンなど)真鯛を狙うのはカーリーを選択します。フィネスカーリーより弱いアピールはフィネスストレート→セミカーリーの順に弱くなっていきます。また、セミカーリーを1本と言うのはアピールが弱すぎるのでセミカーリーのときは2本付けています。

最初は様子を見るためにアピール力が強すぎないセッティングを投入してみて、反応の有無や状況変化に合わせてローテーションをしていきます。この時の判断基準は自分のロッドに伝わるアタリはもちろんですが、周囲のアングラーが使っているものやそれに対する反応、さらに魚探の反応(魚の有無、浮いてるor沈んでる、エサがいるetc)を基に手を変え品を変えでローテーションします。

 

ネクタイのセレクトがメインとすれば、スカートやワームトレーラーのセレクトは重要なサブ要素です。スカートはアクセントとして少量を1〜2本を片ずらしして長く使うことが多く、弱い波動を出してくれるのとカラーを足せるのが強みです。隠し味のスパイスとして使います。

ちなみにワーム素材のトレーラーは、真鯛が小さなエサ(小イカなど)を食べている時はスカートよりこちらを選びます。

 

カラーセレクトについては水色が大きく関係します。

幅広い状況に対応するオレンジやレッド系の定番色は必須ですが、これだけで抜きん出た釣果をあげるには不十分。適材適所のセレクトが竿頭を目指すには必須です。

例えば、瀬戸内を代表とする内海エリアでは潮に色が付いており、加太なら緑っぽく、高松などではもう少し濁って黄色っぽいなど傾向があるのですが、潮の色が濁って透明度が無いほどカラーセレクトが鍵になります。

 

また、ハイインパクトで超高活性or超低活性の状況や濁り潮で有効な「真っ黒レッドフレーク」、光量の少ない深場で実績の高い「超ケイムラ偏光パール」「イカグロー」は、内海では効果を発揮する「カブラグリーン」はローテーション要因として必要不可欠ですのでタックルボックスから外すことはできません。

ちなみに、これらのカラーはアピールが強く、場合によっては余計なプレッシャーを与えてしまう可能性もあるので、まず様子見としてスカートならワンポイントとしてアピールが強すぎないようにするのがオススメです。

また、底質やエサによっての癖もあり、岩礁帯で甲殻類が多いスポットではシマシマパターン、小魚を捕食してる場合はイカナゴールドやシラスクリアが有効です。

では、具体的なエリアごとに解説していきましょう。

 

京阪神の鯛ラバのメッカ、明石/加太/鳴門エリア

京阪神のエリアにはお馴染みのメジャーエリアですが、このエリアでの多くの遊漁船のアプローチはバーチカルで狙うことが常なので、ヘッドウエイトは45g〜100gがメインになりますのでまず揃えるのはこちらのウエイトで。ただ状況によってはドテラ流しでのアプローチもありますので、その際は重めのヘッドも必要ですので、釣行前に船長への確認はお忘れなく。

カラー

蛍光オレンジ、レッドゴールドフレーク、オレンジゴールドフレーク、エビオレンジ、真っ黒レッドフレーク、シマシマオレンジ、シマシマレッド、エサが魚の場合はシラスクリア。

瀬戸内東部の激戦区、岡山/高松エリア

カラーセレクトが重要なエリアで、ショアラインから近いエリア(ハードボトム)と航路筋のように沖合いに広がる砂地エリアを狙います。

ウエイトはバーチカルゲームでは45g〜80g45g〜60g(メインは45g〜60g)で、広い範囲を探るキャスティングゲームでは45g (個人的には30gまで用意しておくことをオススメします。)

 

岩や石が点在するエリアでは濃いシルエットのハッキリしたカラーが有効で、レッドゴールドフレーク、オレンジゴールドフレーク、シマシマレッド、シマシマオレンジ。

潮通しの良いエリアは砂地が多く、小魚などが集まりやすいのが特徴。そんなエリアのカラーは蛍光オレンジ、イカナゴールド、エビオレンジを多用。

さらに内海エリアで有効なグリーン系の中でも万能型のカブラグリーンを加えるとバッチリです。

 

また、このエリアの真鯛はボトム付近で釣れることがほとんどで、あまり浮くことはなくボトムから3〜4メートルくらいのレンジまでで釣れることが多いのも特徴です。

 

 

アベレージの良さが魅力の広島/山口/松山エリア

瀬戸内の中でもアベレージサイズが大きいのが広島/山口/松山エリア。

ウエイトは45〜120gを使用しますが、メインとなるのは60〜100g。

カラーは、他の瀬戸内エリア同様ですが潮色が明石や加太、鳴門に似ていることもあり蛍光オレンジ、レッドゴールドフレーク、オレンジゴールドフレーク、エビオレンジ、真っ黒レッドフレーク、シマシマオレンジ、シマシマレッド、カブラグリーンなどが実績大です。

 

 

内海と外海のぶつかる大分/豊後水道エリア

大分県にある豊後水道は瀬戸内海と太平洋の水が交わるエリアで暖かい水と冷たい海水がぶつかりあう事でエサも多い優れた釣り場として知られています。あの有名な関サバや関アジの上がる漁場としてご存知の方も多いのではないでしょうか?

このエリアでは狙う水深は季節によってさまざまですが、メインウエイトは80g〜156g。ドテラ流しでのアプローチのため風が強い日には234gを使う日もあります。

 

カラー

瀬戸内と外海のインターセクションのため潮色はややクリア。

そのため蛍光オレンジ、レッドゴールドフレーク、真っ黒レッドフレーク、シマシマオレンジ、シマシマレッドなど、様々なバリエーションが必要です。

ただ90m以上のディープエリアもあるので、光量の少ない場所を狙う場合はケイムラやグローが効果的な場合もありますのでお忘れなく。

 

南九州は要注目!変化に飛んだ鹿児島錦江湾エリア

錦江湾は15mのシャローから100m以上のディープまでバリエーションに飛んだシチュエーションが存在しています。鯛の数も多く、ここ数年でドンドン開拓が進んでいる注目のエリアです。傾向はドテラ流しでアプローチする船が多く、ウエイトは45g〜156gまで幅広く準備して状況に合わせて使い分ける必要があります。

 

潮色は瀬戸内に近く、緑っぽい感じで、蛍光オレンジ、レッドゴールドフレーク、オレンジゴールドフレーク、エビオレンジ、真っ黒レッドフレーク、シマシマオレンジ、シマシマレッドなどが実績大です。

 

 

首都圏でも鯛ラバが楽しめる東京湾 エリア

一昔前は西日本メインの釣りであった鯛ラバも今や全国区の人気ゲーム。特に関東近郊での注目度は急上昇しています。

東京湾エリアの潮色は黒っぽく、あまり深いところまで光は届かないため10mから深くても50mが釣りやすいポイントになります。

ウエイトは45g〜80gがメインで、風が強以上今日でのドテラ流しでも120gまでで対応ですます。もし、私がそんな状況で釣りをするなら、水深が浅いことから軽いヘッドを何度も打ち直して誘います。これまでの経験から、比較的小さなヘッドの方が分があるエリアです。

 

カラーは、潮色の暗さからシルエットがハッキリと出やすい蛍光オレンジ、レッドゴールドフレーク、シマシマオレンジ、シマシマレッド、オレンジゴールドフレーク

 

20メートルより浅いエリアならネクタイも波動の大きな”カーリー”がおすすめです。

 

全国屈指の好フィールド、玄界灘

九州の玄界灘といえば全国でも屈指の大鯛が狙えるフィールド。魚影も濃く、古くはオリジナルのビンビン玉がリリースされた当初から遠征をして様々なテクニックやタックル開発を行った場所で、ディープドテラ発祥の海でもあります。

この玄界灘のハイシーズンは晩秋から春にかけてですが、この時期は北西風が強く出船できないことも多くなります。対馬海流が強く効く上に北西の風が潮をさらに押すので、外海でも安定感のある流れが出来やすい好条件が生まれます。

 

水深は100メートル前後ですが、その強い潮流があるためアプローチはドテラ流しが多くなります。この場合は風や潮流によってウエイトはバラバラですが156、195、234gがメインになります。

 

潮色は外海の割ですが緑っぽいので、豊後水道と同じセレクションでオッケーです。

基本カラーはオレンジ、レッド、ブラックの3色ですが、ゴールドやグリーンが効果を発揮することもあります。

 

カラーは蛍光オレンジ、レッドゴールドフレーク、蛍光グリーン、真っ黒レッドフレーク、シマシマオレンジ、シマシマレッド、シマシマグリーン、カブラグリーンが有効です。

 

ディープドテラ道場、京丹後/越前エリア

九州玄界灘から生まれたディープドテラスタイルですが、ここ数年、この釣りの注目度をあげたのは日本海側の京丹後/越前エリア。大鯛が出ることで一気に注目を集め、いまやこのジャンルを牽引しているエリアと言っても過言ではありません。

水深も150mを超えてラインキャパいっぱいにラインを巻いたタックルで挑んでる釣り人も多いです。

このエリアは水深も150mを超えることと、潮流が走るとあっという間にラインがでてしまいます。底潮が動きづらく上潮が走ったり、風が強くなると234gを使用しても400m以上のラインが出てしまいます。ですのでまずリールにはPEラインをフルで巻いておくことが重要です。ちなみに私はディープドテラではラインの巻量に余裕があり、巻き上げパワーのあるシマノ社のオシアジガー1000を使用しています。これはジギング用のリールで剛性に優れており、ラインキャパシティも多いので安心です。

 

そんなことからメインとなるウエイトもヘビーで156g〜234gで、潮も風もないときでも120gくらいが使い勝手がいいでしょう。

 

カラーは、蛍光オレンジ、レッドゴールドフレーク、真っ黒レッドフレークがテッパンでカブラグリーンやシマシマオレンジ、シマシマレッドなども準備しておくと良いでしょう。

 

 

太平洋の注目フィールド、御前崎エリア

静岡県の御前崎は関東から中部東部のアングラーが注目するフィールド。

黒潮の影響を受けてクリアな潮色で、狙う水深は20mのシャローから190mのディープまでレパートリーに飛んだ海です。

とは言うもののシャローはベイトが入らないと成立しないので、通常は90m以上の水深を狙う事は多くなります。ディープ攻略では日本海側と違い底潮と上潮のスピードが同調しやすいので、水深の割には日本海ほどの重たいものは使いませんが、156gをメインに234gまでは持っていた方がいいでしょう。

カラーは蛍光オレンジ、レッドゴールドフレーク、真っ黒レッドフレーク、シマシマオレンジ、シマシマレッドが実績ありですが、潮色がクリアなので色々なカラーが使用できますので、ぜひ実釣での検証として形状やカラーをローテーションして試してみてください。きっと釣り方の引き出しが増えるはずです。

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