表層パターンにおけるTIMONトラウティントレブルBLの有効性
みなさんこんにちは。ジャッカルフック開発担当の藤田夏輝です。
先日のJB河口湖Aシリーズ開幕戦で優勝した天野プロがシークレットとして使ってきた表層系プラグ × トラウティントレブルBLが公開されましたね!


僕自身、天野プロとは長い付き合いでして、1年前の春からこのフックが「HMKLジョーダンのような表層系プラグには最適だと思うから試してみて!」とサンプルを送ってテストしてもらっていました。
河口湖での圧倒的な釣行回数の多さから良し悪しを見てもらったのですが、帰ってきた答えは『良すぎるから公開したくない!』でした(笑)
『勝って公開する』との言葉どおりに見事に優勝を飾ってくれたことは、自分のことのように嬉しく思います。
過度なフィッシングプレッシャーが掛かるトーナメントにおいて、『ノるか、ノらないか』は紙一重でありながらも、フックの性能を理解して使うことにより釣果に結び付くことを証明してくれました。

ではなぜトラウティントレブルBLは掛かって、ランディングまで繋げやすいのか。
その設計思想を紐解きます。
渓流魚のバイトと釣り方
もともとはネイティブトラウト、日本では主にヤマメやアマゴに主眼を置いて設計したフックです。

警戒心が非常に高い魚であり、身を潜めながら川を上って小さいモーションでキャストしていくハンティングのような釣りが楽しめます。
そんな渓流魚のアプローチ方法として一般的なのがアップストリーム方向へキャストしてリトリーブするトレースコースです。
基本的には流れのスピード以上に速く巻きながらアクションを加えていきますが、ロッドにかかるルアー抵抗は非常に少ないために、魚がバイトして掛かったとしても、深いフッキングにつなげられず、最初の首振りでフックオフしてしまうことがよくあることです。
特にヤマメはルアーに反応してバイトするまでが一瞬であるがゆえに、フッキングが難しい魚とも言えるでしょう。
この現象を少しでも解消するため、バイトした魚の最初の首振りによるルアーのわずかな浮力や抵抗をフッキングパワーに変え、アングラーが気付いてフッキング動作を行うまでの仲介を担うフックが必要だと考えて設計されたトレブルフックです。
このあたりは渓流魚に対する設計思想をまとめたコチラのコラムをご覧いただければ理解が深まると思います。

表層パターンに対するアプローチ方法とフッキング
私自身も河口湖のようなワカサギレイクの表層パターンは幾度も経験していますが、春の表層パターンは産卵後に弱って水面付近でヨタヨタしていたり、命を落として浮いているワカサギを捕食するバスを狙う釣りです。
こういった状態のワカサギをイミテートするための代表的なアプローチとして言えるのが、表層プラグの水面放置です。
特に風が吹いている状況であれば風下に流れ着くワカサギが増え、ルアーを見破られにくくバイトまで持ち込みやすかったりもします。
ここで注目していただきたいのは放置するためのラインスラッグです。

バスとリンクするシャローに、なるべく本物のワカサギが流れ着いたかのようにルアーを放置したり波風で流したりするわけですが、キレイに流すために、あるいはなるべく動かさないようにするためにラインはダルダルにしておくことが多いですよね。
その状態でルアーを吸い込もうとして水面を割ったり、あるいは水面ギリギリからモヤっと吸い込んだりしてバイトに気付きます。
そこからアングラーが素早くラインを巻き取り、魚の重みを感じてアワセるといった流れになりますが、バイトしてから気付いて巻き取り、魚の重みを感じるまでは『フックと魚任せ』なのです。
表層パターンに適したアプローチアングルとは
この状態でバイトしたバスに対して掛けるフックを考える上で、最も重要なのがアプローチアングルです。
(アプローチアングル=フックが魚の口にどう向かって刺さるか、その方向)

基本的にはアプローチアングルが小さくなればなるほど少ないフッキングパワーで刺さりこみやすく、いわゆる”向こう合わせ”が発生しやすくなります。
また、逆にアプローチアングルが大きくなればなるほど、アングラー側による強いフッキングパワーが必要になります。
トラウティントレブルはルアーのわずかな浮力や抵抗をフッキングパワーに変えるほどの高い貫通性(≒フッキング性能)を維持しつつ、ヤマメなどの素早くギラッっと反転するバイトに対する高いコンタクト性を持たせたフックです。
これを前提に考えると、HMKLジョーダンのわずかな浮力をフッキングパワーに変えることのできるトラウティントレブルは最適だったと言えるでしょう。
カーブドポイントとバーブレス
2025年の釣りフェスティバルで公開後、各ショーにて触っていただいた方はその危険なほどの絡みつきに驚かれたのではないでしょうか。
以前に、ショートキャストで狙うマイクロホバスト専用フックとして開発したTRAP microの設計思想をお話ししていますが、このトラウティントレブルも同じくカーブドポイントで設計しています。

カーブドポイントは触れた位置から絡み付く特性を持っています。
マイクロホバストに至ってはルアー自体も軽く、ラインスラッグが出やすく水深も深いという非常にアタリがわかりにくい釣り方ですが、ルアー吸い込んで吐き出そうとした時に絡み付いてくれることにより、最初の首振りで向こう合わせの状態を作り出せるフックを作りたくてカーブドポイントを採用しました。
表層パターンも同じように想像してみてください。
バイトして水中に引き込まれる際にカーブドポイントの特性で絡み付き、コンタクト性を維持しながらもアプローチアングルを小さく設計しているので、ルアーの浮力で絡み付いた状態を維持しやすく、フッキング動作が伝わるまでの間を担ってくれるのです。

また、表層パターンではプラグのサイズも小さいことから小さい番手のフックを使用することが多く、口の外側のわずかな皮膚を捉えることが多い釣り方とも言えるでしょう。
トラウティントレブルはバーブレスであることから、皮膚を切り裂くことが少なく身切れがしにくいこと、通常のバーブドフックに比べて貫通抵抗が少なく、フトコロまで刺さり込みやすいこともキャッチ率の高さに繋がっているのではないかと感じています。
最高スペックの素材
ジャッカルフックはこの素材無くしては設計できない最高スペックの素材、PSM(プロスペックメタル)という釣り針専用マテリアルを採用することにより、硬いながらも靭性のあるトレブルに仕上げています。
そこにPTFE Armorという地球上で最も摩擦係数の低い樹脂を採用することにより、極上の滑りでスムーズなフックセットを可能にします。


線径と設計バランス
線径に関して見た目では細いように感じますが、フックの大きさと太さのバランスで言えば決して細いフックではなく、レギュラー~ヘビー寄りのバランスになっています。
ビッグフィッシュにも伸ばされにくく、無理なランディングにもしっかりと追従してくれます。
また、バーブレスフックはバーブドフックに比べて、熱処理の具合を硬めにできるという特徴があります。(バーブの彫り込み部分がないため、その部分での破断の恐れがなくなるから)
硬めの熱処理のフックはフックポイントの先端も硬く、新品時の鋭さが持続しやすいというメリットがあります。硬すぎてしまっては折れてしまいますが、先述のやや太めのバランスも相まって強度と鋭さの持久力を備えたフックです。
表層パターン最盛期
このコラムが公開された今もなお、河口湖のワカサギ表層パターンの最盛期であろうと思います。
また、桧原湖や野尻湖といったスモールマウスバスを対象とした表層パターンも始まってくると思います。
桧原湖で活動するジャッカルフックスタッフの藤森プロは、昨年からスモールの表層パターンにおけるトラウティントレブルの有効性を実証済みです。

この記事を読んでいただいている方の中にも『出たのに掛からなかった…。』という経験をされてきた方も多いのではないでしょうか。
このフックの有効性を公開してくれた天野プロは河口湖、相模湖でフィッシングガイドサービスを営んでおりますので、ワカサギ表層パターンにおいてのトラウティントレブルの有効性を体感していただけたらと思います。

天ちゃんバスフィッシングガイド→https://amachanfishingguide.com/
その貴重な一本が『掛かる』ことで、一日の釣行に喜びと幸せをもたらしてくれると信じています。





