COLUMN
コラム

LIVE DARTER開発ストーリー

2024年10月、ダートアクションに特化したルアー「LIVE DARTER」が発売されます。

ダートアクションとは、竿を上下にシャクり、ルアーを左右に動かすことで、まるで小魚が激しく逃げ惑う様子を再現することを指します。

Q.製品開発のきっかけ

昨今、中層やボトム付近を悠々と泳ぐニュートラルなバスが増えており、そのようなバスに強制的にスイッチを入れ、捕食モードにすることができるルアーを作れないかと考えていました。

バスのスイッチを入れるためには、ルアーを長い間見せるのではなく「緩急」が必要だと感じていたため、逃げ惑う小魚のアクションからヒントを得てLIVE DARTERの開発がスタートしました。

開発中に直面した課題-魚の反応が悪くなるアクション

LIVE DARTERの開発を進める中で、アクション後に頭下がりになると見切られてしまうという事象が多発しました。ルアーの構造上、頭側にウエイトを配置するためアクション後に頭下がりになってしまい、相反する要素を実現することが大きな課題でした。

緻密に設計されたボディ

Q.製品名の由来や意味

最新魚探を思わせるネーミングですが、意味合いとしては 生きている(LIVE)魚が逃げる遊泳姿勢やその波動によって魚の捕食スイッチが入ってしまう様を表現しています。

元々は水中でボイルを発生させる程、捕食スイッチを入れることができる性能からトリガー(引き金)というワードを使用いたかったのですが、弊社の製品である「ボイルトリガー」とネーミングが酷似することから断念したという背景があります。

Q.開発過程で生まれた課題

アクションとフッキングの両立

まず、フックの種類や位置、固定方法などで大きくアクションやフッキングに差異が出てしまうことでした。
当初はトリプルフックを搭載する前提で開発していましたが、フック自体が水の抵抗を受けキレのあるダートやダート後の滞空時間を損なうことに気付き、少しでも水の抵抗を受けにくいようにとダブルフックを搭載することに。

しかし、ダブルフックも同様に水の抵抗を受けてしまい理想のアクションとはほど遠い状態。
そこで、今回はダブルフックをボディに沿わせつつ、「半固定」することで上記デメリットを解消しています。アクション時はボディに沿って固定されている為、キレのあるアクションを出すことが可能になり、フッキング後はフックがフリーに動く状態となり、バレ防止に貢献しています。

また、開発中にフックの位置によってフッキング率やファイト中のバレが大きく変わることに気付きました。ダブルフックを半固定している為、ラインアイと針先の関係から針先が極力ルアー後方に位置するとスムーズに刺さる傾向にあります。これはフック開発チームと共に検証を重ね、最良な位置を導き出すことができました。

ダート幅-ディープでは思った以上にダートしていない

ディープでは思った以上にダートしていないことが多いことに気づきました。

Live系魚探を使用し、他社製品も含め幾度もテストを実施したところ、水深が深くなればなるほどアングラーが思っているほどダートしていないことに気づきました。
おそらく、ラインが受ける水の抵抗などでアクション時の入力がルアーに伝わっていない事が理由だと感じています。

このような体験から、比較的浅い水深から10m近いディープでも入力をさほど変えることなく同様のアクションを出したいと感じ、試行錯誤を重ねました。

結果的にはボディ後端にフィンを設ける事で、少ない力でキレのあるダートをどの水深でも実現可能になりました。

Q.製品へのこだわり

テールの素材

テールの素材はティンセルを採用しました。

もちろんエラストマーテールやワームのテール、テール無しなど様々な種類やマテリアルを検証した結果です。テスト前はソフト素材のテールの方が反応が良いだろうと予想していましたが、実はティンセルの方が反応が良く、ルアーを保管する場合を考えてもメリットでした。

柔らかいもの(ワームなど)の方が釣れると思われがちですが、今回のテストでは改めて思い込みの怖さを再確認できました。フィールドに立って実際に魚に聞いてみる事が、一番早く答えを導き出せますね。

Q.カラーの特徴

LIVE DARTERのカラーは全部で10色。中でも特徴的なカラーが「ライムチャートタイガー」「ピンクバックシャッド」「マーモシュリンプ」「ハイフラッシュキンクロ」「ハイフラッシュシルバーシャッド」のこの5色です。

ライムチャートタイガー・ピンクバックシャッド

この2色はラインナップの中でも特に目立つ蛍光カラー。
目でルアーを追うことができるシャローでの使用も視野に入れて作成したカラーです。ダートアクションで魚が狂う瞬間を是非その目で楽しむことができます。

マーモシュリンプ

このカラーは、追われて逃げる小魚をイミテートするのみならず、跳ねて逃げるエビを連想できるカラー。ケイムラ加工のアイを使用しているなど、細かいこだわりが詰まっています。

ハイフラッシュキンクロ・ハイフラッシュシルバーシャッド

この2色は名前に「ハイフラッシュ」が付いている通り、トゥイッチを加えると「キラッキラッ」とフラッシングしながらダートを行うカラー。ジャークベイトのような要素を組み合わせたカラーです。

Q.具体的な使用シーンや活用方法

基本的な使用方法はLive系魚探を用いて、中層やボトム付近を遊泳するバスをシューティングします。バスより上をトレースし、ルアーに気付いて近寄って来たタイミングでダートアクションに切り替えると、スイッチが入り狂ったように追いかけてきます。その際、連続したダートからバイトさせるための”間(一瞬だけルアーがふわっとなる時間)”を作り出す事でバイトに至ります。
勢いよく追いかけて来るため、ミスバイトやミスバイト後にルアーを見失うような動きをしますが、その場合はルアーを中層にとどめておく事で再度チェイスに繋がります。

応用的な使用方法ですが、表層でベイトを追い回しているバスにも効果的です。ルアーが着水してからすぐにアクションを付けることで素面直下をダートさせ逃げ惑うベイトを演出可能です。

Q.伝えたいこと

ルアーの開発を進める中でタックルセッティングについても同時に検討します。ラインの種類やロッドスペック、リールのギア比など組み合わせは様々です。

今回のルアーに関して、操作性やパワーを踏まえると下記のようなセッティングに落ち着いています。

RODRevoltage RVⅡ-S61L-ST

Reel2000番~2500番クラス ハイギア

ライン:PE0.6+リーダー フロロカーボン57lb

アクションを継続的に付ける為、長すぎると疲れてしまいます。また、柔らかすぎるとディープエリアでのフッキングに影響が出る為、6.1ftというショートレングス且つ、張りのあるLパワーがしっくりきています。

ダート時の姿勢ダート時の滞空時間及びその先にある喰わせの間にこだわった製品、「LIVE DARTER」、捕食スイッチを入れ、見切らせないキレのあるダートアクションを是非、ご体感ください。

発売は10月を予定しています。お楽しみに!