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吊るしを極める。専用設計から生まれたBEAK開発秘話(設計編)

スモラバの呼び名でお馴染みのスモールラバージグは現在のバスフィッシングシーンにおいて、ひとつのカテゴリーとして認知されています。

 

そもそもラバージグといえば、障害物を撃つ太いフックとガードがセットされたカバージグや、ディープエリアを素早く攻略するためのフットボールジグのことを指していましたが、いまやもう一つの柱としてスモールラバージグを加えることに異論を唱えるアングラーはいないでしょう。

 

軽量ウエイトのヘッドにスカートを組み合わせたスモラバは、スピードとボリューム感で反射的に口を使わせることが多かったラバージグに、ナチュラルな食わせの要素を加えたもので非常に釣れるルアーとして多くのアングラーに愛用されています。

 

そんなスモラバの中でも特定のシチュエーションや使い方を想定して開発されたモデルが存在します。ジャッカルから2021年秋に登場する”BEAK/ビーク”もそんなルアーのひとつ。立ち木の枝や水生植物などにラインを引っ掛けてぶら下げる、通称”吊るし”というテクニックでの使用を想定した特化型スモラバです。

今回はそんなBEAKの特徴についてご紹介いたします。

 

【吊るし専用設計を語るからこそ水平姿勢が絶対条件】

BEAKの開発にあたり、こだわった最重要ポイントが”水平姿勢”。

水面でも水中でも吊るした際に水平姿勢か否かで釣果は大きく変わることはトッププロ達の間では公然の事実で、トレーラーをセットした状態で、一点シェイクでもフォールでも水平姿勢をキープする形状とバランスを徹底的に追求しました。

そしてもうひとつがすり抜けの良さ。これは障害物周りで使用するにあたり、引っかかること無く奥まで入っていくことと、ピックアップの際にスムースに回収できることでストレス無く使い続けることを可能にしました。

その2つの要素を具現化したのが、このヘッド。正面/上部/側面のいずれから見ても角を持ったひし形の形状をしており、水中の障害物の隙間をスルスルとすり抜けます。そして上部にあるラインアイも吊り下げた際の姿勢を安定させるように結び目が前方にずれない様なデザインを採用。特徴的なデザインは必要な要素だけを追求した特化モデルだからこそ実現したのです。

 

【障害物からビッグバスを引きずり出す太軸フッ素加工フック】

スモラバといえば、そのサイズ感に合わせた小ぶりで細めのフックがセットされているのが定番でしたが、BEAKは障害物周りとパワーのあるスピニングタックル+PEラインを使用することを前提とした太軸フックを採用。ビッグバスとのファイトでも伸ばされることなく確実にランディングに持ち込む為のセッティングです。

「太軸フックだと刺さりが悪いのでは?」と思われるアングラーもおられるかもしれませんが、フッ素加工を施していますので、初期かかりも良く、ビッグバスの分厚い顎も難なく貫通します。

 

そしてシャンク部分にはナイロン製ワームキーパーが設けられており、水平姿勢の維持とトレーラーのダメージを最低限に抑えます。

次回はBEAKのもうひとつのこだわりであるスカートとカラー設定、そしてタックルについてご紹介いたします。