COLUMN
コラム

川島勉というスタイル(後編)

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今だからこそ必要だった”スリークマイキー”

そんな川島が2020年に満を持して発表したのがスリークマイキー。その名称どおり名作として知られるマイキーファミリーの流れを引く3連結ボディのジョイントタイプのハードベイトだが、そのコンセプトと設計は既存の2タイプとはまったく異なる。それは、今だからこそ必要な第三のマイキーだという。

 

「オリジナルのマイキーに出会って衝撃を受け、さらなる潜行深度とカバー回避能力を加えた躱マイキーが生まれたのですが、スリークマイキーはその2つとは異なり、”タイトアクション/中波動で過度なプレッシャーを与えない食わせ能力”をコンセプトに開発しました。

このアクションの違いは=アピール力で、オリジナルと躱マイキーは水面ギリギリやカバーの奥で魚を引き寄せる為に強めの波動とアピールを生むのに対し、スリークマイキーはオープンウォーターでナチュラルに喰わせる為に弱めの波動と強すぎないアピールを想定した設計です。亀山ダムだと上流域のシャローや、立木群でパラパラした隙間のあるスポットやアウトサイド沿いなどのオープンウォーターで小魚を捕食しようと回遊している状況にマッチします。今の時期だと沖目でワタカを捕食するビッグバスにもいいと思います。

このスリークマイキーを発表した際に『スリークマイキーがあれば、躱マイキーは不要なのか? 』という声がありましたが、それは全く別物です。オリジナルと躱マイキーでは捕れなかったバスを狙う為のものであり、適材適所で使い分けることでさらに釣果アップに繋がると考えてください。躱マイキーが無くなって困るのは自分も同じですし、必要なので2020年の新色追加で発表したところです(笑)。」

アクションもさることながら、デザインも実際のオイカワなどの中型ベイトフィッシュに合わせたフラット面を設けたフォルムで、大きさ/体高/厚みなども再現しました。これは自分が手がけたルアーでは数少ない、より”釣りたい”モードに寄ったアイテムで、ボイルトリガー以来でしょうか?。先行リリースの115に続いて90がリリースされたのも同じで、岸釣りやスピニングタックルで使用できることでより多くの人に使ってもらって楽しんでもらえるでしょう。

まだバスフィッシングを初めて間もないビギナーが巻くだけでバスを魅了する高い基本性能を誇りながらも、エキスパートが使い込んでも唸らせる類稀なるポテンシャルの片鱗を見せ始めているスリークマイキーへの注目はますます高まることは間違いなさそうだ。

 

愉しい釣りを伝えながら、自分らしさを表現したい

そして最後に、川島の今後の展開を聞いてみた。

 


「やりたいことはいろいろあるのですが、川島勉として愉しいスタイルを伝えていきます。それは、今までの様にルアーやロッドを作って新しい釣り方を提案するだけでなく、遊びとしてもっと広いくくりで『こんな遊び方もいいよ』って発信をどんどんやっていきたいですね。

モノづくりに関しては、自分らしいエッセンスを盛り込んだアイテムを更に追求していきます。今回のスリークマイキーの様な直球で釣るためのアイテムもあれば、ひねりの効いたアイテムも含めて使った人が”川島らしいな”って感じてもらえれば最高です。

これからもいろんなヒト/モノ/コトから刺激をもらってどんどんアップデートしながら”笑のある釣りを推奨!”していきます。」

そう言いながら、いたずらっ子の様な笑顔を浮かべる川島。どうやら既に次の何かを考えているようだ。さて、どんな愉しい事を発信してくれるのか?これからも目が離せない。