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COLUMN
コラム

川島勉というスタイル(前編)

日本のバスフィッシングシーンにおいて、川島勉というアングラーは稀有な存在である。

全国にその名を轟かすプロアングラーでありながら、トーナメントシーンで活躍する競技者でもなければ、各地のフィールドに出向いては釣果とスキルを披露して誌面やインターネットを賑わせるパフォーマーとも異なる

プロとして活動しながらも、拠点とする千葉県房総半島に美容師として自らの城を構え、地元の人造湖(リザーバー)を中心にレンタルボートで愉しむ生粋のロコアングラーであり、日常生活の空いた時間をバスフィッシングに費やす点では、一般のプライベートアングラーと何ら変わりはない。

ただひとつ、川島が普通のロコアングラーとは一線を画するのは、豊富な経験と独自の視点からタックルをプロデュースし、幅広い層から支持され続けているヒットメーカーだということだ。

ポンパドールにガンタレル、躱マイキーやボイルトリガー、あまりの釣果にエサとまで言われたシザーコームまで、その振り幅の広さは川島の経験値とアイデアの賜物に他ならない。

そんな川島が考えるバスフィッシングやタックル論、そして方向性について語話を聞いてみた。バスフィッシングとモノづくり、そして最新作のスリークマイキーに隠された秘密、さらにこの先に見据えている考えとは?そこには独自の世界観が広がっていた。

 

目指すは一匹の価値による満足度。愉しむためのストーリーにこだわりたい

「一番の根っこは、自分がイメージするストーリーで釣りたいって事です。

より釣れる釣り方をとことん追求する人もいれば、ビッグバスだけを狙った一発ギャンブル的なスタイルの中毒性がクセになるって人もいます。自分もいろいろやってみて、さらに出会った人やモノをみて刺激をもらった結果、今は原点である”愉しむ”ってことを追求しています。」

飄々としながらも柔らかな人当たりとユーモアあふれる人柄の川島だが、以前はトーナメントに参戦ししのぎを削っていた時期もあれば、一転してトップウォーターゲームにも没頭していた時期もあるという。何事にもハマるとのめり込む性格が垣間見えるエピソードであり、その経験が数々の名作の誕生に繋がっている。

 

「今ははどこのフィールドでもプレッシャーや環境の変化によって簡単には釣りづらい状況は否めません。だからこそサイズや匹数より1匹の価値を高めて満足度を向上させることを目指しています。

先に言った”自分のイメージするストーリーで釣りたい”という話に繋がるんですが、イメージどおりのストーリーで釣るためにはタックル選びからキャスト、巻いてくるコースまで全部がハマって釣れると最高に気持ちいいじゃないですか?。そのためにモノづくりへの意欲が最近は凄いですね。」

川島の”イメージどおりに釣りたい”という言葉を最も顕著に表すひとつがハードルアーのカラー設定である。

躱マイキーやスリークマイキーなどに見られる背中に視認性の良いカラーは、着水からボート際でのピックアップまで一連の流れを目視しやすくするためのもの。万能なリアル系やダーク系など様々なカラーにあえてひと手間加えることでストーリーのすべてを見ることができる。ほんの少しのことだが川島らしいこだわりのひとつだ。

 

「バスフィッシングをしていると誰もが『こんなルアーがあればもっと釣れるのに…』って考えた事があると思いますが、自分も昔からルアーを改造したり、リペイントしてもらったりしていました。それが雑誌で掲載された事がきっかけでジャッカルとご縁が出来たのですが、今は自分のイメージを具現化してもらう立場になった事でさらにのめり込む毎日です。終わりが無いし大変だけど、ずっと愉しい。(笑)」

バスフィッシングに対するスタンスと、それに関わるモノづくりへのモチベーションの高さが感じられる川島へのインタビュー。ここからは最新作のスリークマイキーについてさらに詳しく聞いてみた。

後編へ続く