COLUMN
コラム

藤村修司氏よりレポート 手取り川物語

例年ホームリバー犀川が解禁となると、他の河川へ櫻を狙いに出かける事がなくなる。

ところが、3月17日(日曜日)に、岐阜の中村氏とお連れさんが遠征にて手取川に来られる事となったので、ご一緒させていただく事になり、出不精な私が手取川に向かった。

 

朝5時、手取川に近い待ち合わせ場所で、中村氏とお連さんと落ち合った。

中村氏とは昨年末の『TIMONNカップin瑞浪フィッシングパーク』以来であったが、再会の挨拶もソコソコに、期待に胸膨らませ素早く現場へと向かった。

私が案内し車を停めた場所と、中村氏が事前に情報を入手していた場所が偶然にも一致したため、迷わずそのまま車を止め夜明けを待った。

 

6時をまわった頃、おのおのが素早く身支度を終え、期待に胸膨らまし水辺に立った。

 

ファーストキャストに、現在テスト中の『トリコロールF 88MD』をセレクトしようかと考えたが、TIMON ルアーデザイナーF松氏より「テストサンプル1個につきサクラ1匹を釣ってねっ♪」と、とても難しいオーダーを受けていたので、ルアーをロストしない事を第一義と考え、水深と根掛りの有無を確認するために『ミディア88S レーザー鮎』をチョイスした。

とっ、ネガティブな要素で『ミディア88S』をチョイスしたように書いてはいるけど、その日の手取川の状況は、とても水位が高く、それに伴い水量、水圧が共に強い激流状態であり、私の中では、釣りを成立させる最短かつ最善の選択が『ミディア88S』だった。

 

そして、その結果が出るのは早かった。

激流をできるだけ避けるため、何度かの場所移動を繰り返し、下流に控える次の瀬頭に近い開きでの6時40分ごろ。

水位もソコソコあり、根掛りするような障害物もない事を確認できたので、安心しきって『ミディア88S』をリーリングしていた私を、突然と今までにない衝撃が襲った。

 

ロッドがバッドからしなり、ドラグが悲鳴をあげ、スプールのラインが見る見る薄くなっていく。

下流には大きな瀬があるので、そこに入られるのだけは絶対避けたいと思い、ラインの出が止まった一瞬を見計らい、一旦スプールを指で押さえた後にポンピングを開始し、瀬頭での攻防が始まった。

少しずつスプールのラインが太り出した頃、突然と魚がヘッドシェイク&ジャンプを繰り返した。

その銀色の魚体が見え、その魚が櫻鱒だと確定した瞬間から、久し振りにガタガタと足が震え心臓が高鳴ったと同時に、近年まれに見る集中力で櫻鱒と対峙した。

何とか瀬頭での激しい攻防を征し、ネットランディングより岸にズリ上げた方が安全と判断し、私が手にできたのは全長63cm程度、体高22cmぐらい、重さ約3kgオーバーの板鱒でした。

今日の遠征先に手取川を選んでくれた中村さんに感謝、TIMONルアー&F松氏に感謝、いつも釣りに行かしてくれる女房殿に感謝、そして全ての自然に感謝です♪