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コラム

「サーフフィネス」に必要な”魔法の杖” /長坂隆矢

「サーフフィネス」とは

近年サーフフィッシングの人気が高まり釣り人が増えたため、魚もルアーを見慣れてしまい、ルアーに口を使わなくなってしまっているのが現状です。

そこで、軽いルアーを引き波や離岸流に乗せたり、スローフォールなど軽いルアーでしか出せない動きを出し、よりナチュラルに動かすことでスレきった魚に口を使わせるのが「サーフフィネス」です。

人が帰った後の昼間のサーフなどのタフコンディションでも爆釣する可能性がある、アツい釣りです。


サーフフィネスをやる上で、

“ロッド”はまさに魔法使いにとっての杖と言っても過言ではありません。

私自身もロッドの違いが大きな差を産む経験を何度もしています。

アタリを取るのが大事となる釣りである「ティップラン」や「アジング」などをしている人ならわかるかもしれませんが、友人と同じルアーを使っているにも関わらず自分は全く釣れない、そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。

アタリを取る釣りに関して最重要なのはロッド。

ティップラン、アジングでは、船での立ち位置やレンジの違いなど複雑な要素が絡み合ったことで釣れなかっただけかもしれませんが、サーフフィネスに関しては基本的にはそこまで細かいことは重要ではありません。

サーフは広大で自分の足でポイントは見つければ良いし、ボトム一択の攻略が基本となります。

だからこそ、道具が重要になる局面は多く、ロッドを開発する際にも、無駄なものを省き、必要なもの(距離(縦の範囲)、ボトム感度、ルアーの操作性、アタリをとる感度など)を詰め込む。

そんな必要な要素を詰め込んだ、サーフフィネス特化モデルなのが、「サブル108ULML」

サーフフィネスで重要な要素を妥協なく追求した魔法のサーフフィネスロッドです。

サブル108ULMLの開発
サブル108ULMLを作る時、長さは10ft以上と最初から決めていました。

サーフフィネスを始めた頃、最初は、みなさんが想像するごく普通の8ft、9ftのエギングロッドやシーバスロッドを使用していましたが、自分がよく釣りをする駿河湾では手前にブレイクがあるます。

竿を立ててファイトすることが多く、ラインは飛距離や操作性を考慮して細いラインを使用したいので、なるべくブレイクでラインを傷つけることは避けたい。

さらに、フィネスは沢山魚が釣れるため、ラインを消耗させないことがさらに重要なのです。

遠州灘のような砂浜では寝かせてファイトをすることもあるが、駿河湾のように小さなブレイクなどがある場合は竿を立てたファイトで躱すため、10.8ftの長さが活きます。

また、軽いルアーを投げる上で少しでも飛距離を出すため、10.8ftという設定にしました。

9ft、10ftのエギングロッド、シーバスロッド、サーフロッドを使えば良いじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、パワー、ガイド設定、テーパーなど足りない部分もありますので、専用モデルであるこのサブル108ULMLを使うからこそ成り立つ、すごくセレクティブな釣りであることもまた事実なのです。

第1プロトのサブル108ULMlは長さもあり、だるくて、あたりも取りづらく、軽いルアーを乗せて投げづらい、キャストしたあとのロッドのブレが激しく,飛距離も出ず、しゃくりにくいと感じ、
第2プロトではティップの種類に悩みました。

テーパーとティップを変えてファーストテーパーにし、ティップはより細い仕様に。

ファーストテーパーにしたおかげで弾くアクションがしやすくなり、ティップに集中できるようになりました。

そこからさらに、改良を重ねていき、

ティップの戻り具合や、だるさの軽減、飛距離安定を狙うため小さいガイドセッティングにしたり、さらにトータルのロッドパワーを持たせたおかげで軽いルアーを投げやすくなり、表記ではULMLという心配になる柔らかさながら、バットでしっかりと受け止め、サーフから魚をずり上げられる安心感あるロッドに最終的に仕上がりました。

ガイドを小さくしたおかげでキャスト時のだるさはなくなり、ルアーをアクションしたり、キャスト時のティップの収束は早くなり、ジグヘッドが安定して飛距離を出せるようになった事もこの竿だからこそ出来た事です。


素材とグリップ〜
 

今回サブル108ULMLでは、ブランクスには、世界最強クラスの強度を誇るカーボン素材【TORAYCA®︎ T1100G】を使用しています。


サーフフィネスでは竿を立ててルアーアクションをすることが多いので、10ftという長さでは、一日中キャストやアクションを繰り返すのは辛いが、この細く軽いブランクスのおかげで軽快に釣りができます。
ガイド素材は、コストと軽さの面を考慮し、ステンレスフレームのKガイドを採用。
グリップは握りやすさと、シャクってアタリを取る釣りにはVSSのアップロックがしっくりくるため、VSSを採用しています。

サブル108ULMLは、最初はこの長さで柔らかいロッド、少し慣れるまで時間がかかるかもしれないが、このロッドでしか出せない釣りの表現もあり、他を圧倒するサーフフィネスの威力を実感でき、ハマると今まで1匹しか釣れなかったところが10匹になることもある魔法のロッドです。

また、サーフフィネスに特化した変わり種ゆえに、その副産物として色々使えるロッドにもなっているんです。

メタルジグをキビキビと動かしたり、ボトムバンプなどのフラットフィッシュ、青物などにも使えてしまう汎用性も兼ね備えました。また、サーフエギングや軽いルアーの遠投が必要なシーバスなどにも使え、サーフの太刀魚にも専用ロッドと見紛うほどベストマッチするロッドでもある、、まさに魔法の杖、ぜひ色々な人に使ってみてほしいロッドです。