JB TOP50 初優勝を手繰りよせた「正しいフックのチューニング」
こんにちは。ジャッカルプロスタッフの藤田夏輝です。
ご存知かと思いますが、9/8~9/10で行われたJBTOP50第4戦 桧原湖戦で優勝することができました!
皆様からの熱い応援が力になりました!本当にありがとうございました!
今試合ではビッグフィッシュのみに絞った戦略でした。
ただ、チャンスは少なく、バイトしたバスは確実にキャッチしなければ勝ちはない。
そんなシリアスな状況下で掛けたバスを確実にキャッチに持ち込めたのは、間違いなく『正しいフックのチューニング』でした。
実は今年の春頃から究極のホバストフックを作りたくて設計、テストを行っておりました。
スモールマウスでのテストを行いたく、訪れたのは野尻湖。
佐野教授に同船していただき、実際にホバストでバスがどのように反応してバイトして手元にアタリとして感じるのか、全てを徹底的に見ていただきました。
その時にはまだ試作品はなく、細軸のジグフックを現場で手曲げして作り、試行錯誤を行っておりました。
そこで驚愕のフッキング率を体験することに…
そもそもの話、バイトとして手元に感じる“コンッ”という感覚は、魚がパクッと加えた瞬間ではなく、吐き出そうとして首を振った際に感じるもの。
ということは、手元に来た時点ではもうすでに針先が魚の表皮に触れているということ。
ラインが魚体に触れること以外、理論的には100%そういうことになります。
しかし、“コンッ”と感じてフッキングを行った際に、一瞬重みが乗ってからフッキングしないケースもある。
皆様も同じような経験は何度もされているのではないのでしょうか?
これはどういうことが起こっているかというと、そもそもフッキングで針先は一度魚の表皮に触れているが、吐こうとした際に針先が表皮を滑ってごく僅かな刺さり込みにならなかったということ。
これはこの場で何度も解説させていただいているアプローチアングルが関係しています。
例えばもうすぐ発売となるSTLAZERは比較的近距離であったり、強めのタックルセッティングでフッキングパワーが伝わりやすい釣り方に合わせて設計しているので、アプローチアングルは大きく設計しています。
STLAZER SQUEEZE 特設サイト
https://www.jackall.co.jp/bass/hook/
これにより、刺さり込もうとする力は小さくなるけれど、即座にワームを貫通し、魚の表皮に針先が大きい角度で刺さり込みます。
今回の桧原湖戦では狙う水深も10m前後と深く、さらにライトタックルで扱うホバストの釣りにおいては、いくらPEラインを使っていようと、フッキングの力はほぼ伝わっていない。
おそらくロッドをフルベンドさせても、針先に掛かる荷重は100gも掛かっていないでしょう。
このようなフッキングパワーが伝わらない釣り方においてはどのような針が向いているのでしょう?
例えばエリアトラウトの釣りを思い浮かべてみてください。
ロッドも柔らかくラインも細いですよね。
さらにクランクベイトを投げると巻くだけで竿が曲がり、フッキングパワーはほとんど伝わりません。
そのようなプラグにはフックポイントが環に向かっているのがほとんどです。
これは弱い力でも針先が刺さり込むようにアプローチアングルが小さく設計されているのです。
では一般的なホバストフックはどうでしょう?
ほとんどがそこまで小さなアプローチアングルにはなっていません。
今回僕はここに注目し、針先をさらに環に向かわせるように手曲げして使用していました。
アプローチアングルが小さくなるということは、弱い力で刺さり込もうとする。
さらに、針先を環に向かわせることにより、バスが吐き出しにくくなるのです。
これを試合以前に研究し正しく理解できていたからこそ、数少ないチャンスを逃さずフッキングに持ち込むことができました。
もっと細かく言うと、ラインだって水中で真っ直ぐではありませんし、PEラインはラインを張っていなければフロロカーボンラインよりもバイトした感覚は伝わりにくいのです。
いくらライブスコープで見て、ルアーと魚が合体しても、最終的にバイトは手元に感じるまでわかりません。
なので、『バスが吐き出そうとしても吐き出しにくい形状』が最も重要でした。
フックは魚との唯一の接点。
タックルやアプローチに合わせたフックのセッティングが優勝へ導いてくれました。
現在は桧原湖から滋賀の事務所へ戻り、このホバストフックをさらに改良しています。
バイトしたバス全てをキャッチしたい。その一心で究極のホバストフックを作り上げます。ご期待ください。