異形シンカー「カットボール」開発秘話/藤田夏輝
皆さんこんにちは。フック開発担当の藤田夏輝です。
昨年から爆発的な釣果をもたらしたキングジミーヘンジ。
その中でも最も釣果を出せたストアクション+“あの動き”を、もっと簡単に出せるようにしたいと考え、カットボールの開発をスタートさせました。

動きに関してはBABAtubeで詳しく解説していますので、ぜひそちらの動画をご覧ください。
発想が生まれたキッカケ
開発のキッカケはキングジミーヘンジのミドストアクションです。
当初はショートダウンショットリグやジグヘッドリグなど様々試していましたが、フットボール型のジョイントヘッドとの組み合わせはモジャモジャとした独特の動きで、単純に”釣れそうだな”と感じていました。
最初に試したウェイトは7gでしたが、動きが速すぎてシャローレンジに潜むバスを狙うには扱いにくい。
そこから5g→3.5gへと軽くしていくと、3.5gの動きが最も扱いやすく釣れることに気づき、試合では幾度も上位入賞できるリグに仕上がりました。
ただ、使い込んでいくうちに『もっとゆっくり誘えたら…』と感じるようになったのが始まりです。
単純にウェイトを軽くすれば必然的にゆっくり引けるようになるのですが、使っていたフットボール型のジョイントヘッドには3.5g未満のウェイトラインナップが無い。ならばと、もう一度ショートリーダーダウンショットでシンカーを軽くして使うも、なんだかしっくりこない。
やはりシンカーにラインを結び、シンカーを介してキングジミーヘンジが動くことで、あのバラバラと動くアクションになるのだと改めて感じました。
そこで思ったことは
『ただのフットボール形状ではなく、水を受ける面を付けたらもっとブレーキが掛かってゆっくり引けるのでは?』
でした。
単純なことのようですが、これが思いがけない発見でした。
理想のアクションを生み出すために
すぐにデータを作成していきますが、最初はフットボール形状の断面を真っすぐカットした形状から試していきました。

すると、こんなに小さなパーツですが、明らかな水の抵抗を感じて移動距離が抑えられていることがわかりました。
もともとキングジミーヘンジは水を受ける面が大きいので、さほど変わらないのでは?と思っていましたが、その差は歴然でした。
ならば『断面を凹ませればもっと止まるのでは?』と追い打ちをかけるようにさらに形状をエグっていき、一旦は完成と言える形にたどり着きましたが、これまた探求心が高まり『比重の軽い材料で作れば水を受ける面を大きくすることができて、ゆっくり引けるのでは?』という考えにたどり着きました。
使っていた材料は比較的比重が高い鉛でしたが、あえて比重を低くするという点で亜鉛素材に着目しました。
ただ、比重が軽くなるということは、単純にシンカー自体を大きくしないと同じ重さにはならないため、不格好にならないか、フッキングに影響はないかなどの検証は徹底的に行っていきました。
結果的に影響は少なく、比重が軽い亜鉛素材の方が水を受けることで移動距離を抑えられ、操作感も増すことから採用が決定しました。
立体的アクション
このアイのポジションをご覧ください。

カット面(水を受ける側)の中心にラインアイを設置し、スプリットリング&フックを取り付けるリアアイがかなり高い位置に設計されていますね。
こうすることにより、水を受けたヘッドが上方向に持ち上げられると同時に、水を逃がそうとして、ワンアクションでラインアイを中心に左右へ振り子運動が発生します。
これにより、セットしたワームが上下運動に加えて左右への動きを発生させ、立体的なアクションでミドストさせることができるようになりました。

大前提はフットボール形状
フットボール形状と言えばアメフトで使用するボールの形状に似ていることからその名で呼ばれていると聞きますが、よく耳にするのはフットボールジグですよね。
このフットボール形状の良さは着底時に横倒れしにくく、隙間に入り込みにくいことから根掛かりのリスクを減らせる点です。
カットボールはこの利点を生かしたボトムでの使用にも適しています。

断面がカットされていることで重心が下方向に位置することにより、例えばミドストでバスを引き付け、そのままボトムに逃げるベイトを演出する場合や、バンクの斜面に沿って落としていくフットボールジグのようなアプローチ。
または、ボトムを這うようにストするテクニックである“ボトスト”にも使いやすいように設計しています。
また、横長のフットボール形状であることから左右への慣性が働きやすく、振り子運動が大きくなりやすいことも利点となっています。
ミドストもしやすくボトム攻略にも対応する、どんな場面でも使いやすいシンカーに仕上がりました。
ただ巻きでのメリット
もう想像がつくかと思いますが、カット面があることで水を受けるために、シャッドテールワームなどをセットした“ただ巻き”にも使いやすくなっています。
フットボール形状にカット面があることにより、遠投した先や深いレンジを巻いてくるただ巻きで圧倒的な安定感と操作感をもたらしてくれます。
リグが今どこを泳いできてどんな状態なのか、これらが手元に伝わりやすいことで、風が強くラインがなびいてしまう状況でもしっかりと手元に情報を伝えてくれます。
また、手前に来れば来るほどリグは浮き上がろうとしますが、カットボールは引っ張られる方向に対して常に水を受けるように設計されているので、レンジキープ能力にも長けています。

ワッキーリグのメリット
ジャッカル公式ホームページにはセッティング例として様々なワームをご紹介しています。

キングジミーヘンジやミディアムはもちろんですが、ここでご紹介したいのはカットボールスクイーズとフリックシェイクの組み合わせです。

フリックシェイクと言えばジグヘッドワッキーが定番の使い方ですが、カットボールとの組み合わせはカット面が水を受けることで、手元に伝わる操作感がUPして移動距離を抑えられます。
ジグヘッドワッキーよりも更にゆっくり誘えることにより、小さいスポットで何度もアクションできるのが利点です。
さらに、ジグヘッドワッキーではワームがくの字になりながら上下の動きをする一方で、カットボールはスプリットリングを介してフックが付いているため、ヘッドの動きが適度に吸収され、ノーシンカーワッキーのような動きで誘える新たなセッティング。
前回の淀川オカッパリテストではこの動きがハマった感覚で数・サイズともに結果が出ましたが、それ以上に新たな世界を感じることができました。

使い方やセットするワームで新しい可能性が広がるカットボールシリーズを是非お試しいただければと思います。




