淡水域の可能性、霞ヶ浦水系のシーバスフィッシング/佐藤雅樹

こんにちは、茨城県のフィールドスタッフ佐藤雅樹です。
私のホームエリア茨城県には、利根川・涸沼とシーバスフィッシングのメジャーフィールドがありますが、ここ数年、関東屈指のバスフィッシングのフィールド【霞ヶ浦水系】にてシーバスのキャッチ報告が後を絶ちません。
今回は霞ヶ浦水系のシーバスフィッシングの現状とジャッカルシーバスルアーでの攻略法を解説します。
霞ヶ浦水系のシーバスフィッシングの現状
バスフィッシングの聖地ともいわれる霞ヶ浦水系、霞ヶ浦・北浦・外浪逆浦。そこにつながる北利根川・常陸利根川などの広大なフィールド。
この広大なフィールドで今、シーバスが各地でキャッチされています。
元々海水・汽水での活動が主なシーバスですが、なぜシーバスがこの淡水域の霞ヶ浦水系で増えているのか。
元々シーバスの魚影が多く、シーバスフィッシングのメジャーフィールドである利根川水系と霞ヶ浦水系は常陸利根川河口堰によって区切られています。
まずこの河口堰がどの様なものかと言うと、常陸利根川河口堰は霞ヶ浦水系の渇水時に海水の逆流による田畑の塩害の防止や、利根川の氾濫時に霞ヶ浦に流入しないようにと作られたものです。
この河口堰により霞ヶ浦水系は淡水域の湖となるのですが、それにより汽水域に定着し霞ヶ浦に遡上していた水産資源の漁獲量減少が起こります。
シラスウナギ・ヤマトシジミ・マハゼなどが減少し、さらには水の流れが無くなった事による水質の悪化など霞ヶ浦を取り巻く環境は悪化をたどります。
そこで霞ヶ浦と海のつながりを取り戻す為に【常陸利根川水門の柔軟運用】が14年程前から採択されました。
これにより常陸利根川と利根川を繋ぐ水門が以前より頻繁に開閉するようになりました。
ここでシーバスの話に戻りますが、この門の開閉により遡上する魚はシーバスも同じです。
元々魚影の濃い利根川のシーバスが、数年間かけて徐々に霞ヶ浦水系へと遡上し新たな生態系が霞ヶ浦水系で確立されてきているのです。
バスフィッシングをしていて稀に掛かってしまうという事は聞かれていましたが、今では専門で狙っている方もいる程の規模となっています。
更に、デイゲームでガンガンルアーを巻いて釣れるという事で霞ヶ浦水系のシーバスは盛り上がり始めています。
ジャッカルルアーによる霞ヶ浦シーバス攻略
ここからは、霞ヶ浦水系のシーバスにいかにルアーでアプローチしていくかという所になります。
霞ヶ浦水系が他のリバーフィールドや汽水湖などと違う所は【潮位変動が無い】【流れが無い】という事です。
河口堰が閉まっている間は霞ヶ浦水系に流れはほぼ発生せず、流れと言う流れは全くありません。
そして潮の満ち引きに影響されないので潮位変動などもありません。
通常であれば、流れや潮位変動などで回遊するシーバスにアプローチしていくのが一般的なシーバスフィッシングのセオリーだと思いますが、霞ヶ浦水系のシーバスは、アングラー側がシーバスの居場所を探していくスタイルとなります。
ここで霞水系のシーバスを探すキーとなるもの、それが【ベイトの有無】と【風】です。
ベイトの有無
霞ヶ浦水系のメインベイトはボラ・イナッコ。この水域にはかなりの数のボラ・イナッコが生息しているので、シーバスの格好の餌となっています。
流れがないエリアなので、ベイトがいないエリアで釣りをしていてもシーバスがついている可能性はほぼありません。
逆にベイトの反応がある場所では、かなり高確率でシーバスがついている事が多いです。
風
そして【風】ですが、流れが無く潮位変動もないエリアでシーバスの捕食のスイッチが何がきっかけで入るのか。
私が体感したのは、風により水面が揺れ始めるようなタイミングでの急激なバイトの出方。
ベイトがいて風が吹き水面が波立ち始めると、霞ヶ浦水系のシーバスは一気に捕食スイッチが入ります。
【ベイト】と【風】の二つのキーが揃っている状態でのルアーチョイス
ここでルアーのチョイスですが、霞ヶ浦水系はイナッコパターンかつ平均水深が浅い。
ベイトの塊の中でも存在感を出せるという所で浅いレンジを巻けてルアーパワーのあるライコ132Fの出番です。

デイゲームのシーバスフィッシングには一見強すぎるように感じますが、こちらから魚を探しに行くという点でこんなに効率のいいルアーはありません。
分類的にはウェイクベイトルアーになりますが、特徴なのはダウンストリームに入っていても動きが破綻せず速いリトリーブにも対応するという所です。
アプローチは沖にキャストし、ベイトの反応がある場所をひたすらライコ132Fで蹴散らすように速く引いてくると言うだけです。
大音量のラトルサウンドと、速いリトリーブによって動くファットボディの水押し。そしてベイトに当たった瞬間のフラッとふらつくイレギュラーアクション。



喰い気のあるシーバスの近くを通せればかなりの高確率でバイトが出ます。
本気で餌だと思い食い掛かって来る為か、この釣りで出るバイトはどれもひったくる様に強烈に引きます。
風がない状態でのルアーチョイス
ここまではベイトと風の二つのキーが揃っている状態での釣り方ですが、シーバスの捕食スイッチとなる風が無い状態ではジナリ65の出番。

シーバスにリアクションで口を使わせるバイブレーションの釣りですが、霞ヶ浦水系でのバイブレーションゲームにおいて非常に問題となるのが根掛かりの多さです。
浅い水深でありながら、さまざまなものが沈んでいる水域なのでトレブルフックのついたルアーでボトムを引こうものなら根掛かりの餌食となります。
しかし、このジナリはアウトメタルシステムによる恩恵で驚異的な根掛かり回避能力を持っています。

カキ瀬やゴロタなどをかわすようにリトリーブできるこの性能が霞ヶ浦水系のバイブレーションゲームでも驚異的な根掛かり回避性能を見せてくれるのです。
アプローチ方法はライコ132Fの時と同じですが、ジナリ65はバイブレーションであるが故に任意のレンジを探る事も可能です。
ボトム付近でしか反応がない場合もジナリ65の出番となるわけです。
霞ヶ浦水系攻略に欠かせない「ルアーカラー」
ここまでは各ルアーによるアプローチ方法でしたが、更にこの水系で重要と感じるものがルアーカラーです。
これについては霞ヶ浦水系独特の濁り水が関係しているのではないかと推測しているのですが、

ジャッカルルアーの中で圧倒的に【グローチャートパール】カラーへの反応が突出しており、次いで反応が多いのが【ゴールド】の入ったカラーです。


濁りの中でもボワッとシルエットが出てチャートカラーが明滅するグローパールチャートやフラッシング+強アピールのライコ132F(キンコノ)やジナリ65(グリキン)など、ベイトライクなリアル系カラーよりもシーバスに強烈にアピールするカラーがよくバイトを取れました。
ベイトやフィールドの状態、ルアーのチョイスなどまだまだ色々な可能性が残っている霞ヶ浦水系のシーバスフィッシング。
ぜひ、ジャッカルルアーを使って皆さんも攻略してみてください。
