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コラム

シーバスルアー第一弾 “RAICO➖ライコ132F➖”

ついに公開となったジャッカルのシーバスシリーズ第一弾
『RAICO-ライコ-』

≪10月発売予定≫
LENGTH : 132mm  
 WEIGHT : 42g
TYPE : Floating
HOOK : #3
RING:#4
アクション:タイトウォブンロール

まず、ライコをざっくり一言で表すと
「対大型ベイトパターンウェイクミノー」。

大型ベイトとその他のベイトの明確な違いとしてあるのは、もちろんベイトのサイズ。
それに伴ってエサ一匹当たりの栄養価が大きく違ってきます。

例えば、秋から冬に大群で密集して河川を遡上、
または港湾部へ接岸してくるコノシロは、シーバスからすれば「栄養価の高い食事を効率良く得られる都合のいいベイト」。
群れが入ると狂ったように追い回すためルアーへの喰いも良く、ベイトの群れを当てれば経験の浅いアングラーでも釣果を出しやすいのが特徴です。
 
また、大型ベイトパターンで釣れるシーバスはサイズが大きいことも大きな魅力です。

ベイトの体長・体高ともに大きく、小型のシーバスの口では捕食が困難であるため、70㎝超え、またはランカーサイズのシーバスが釣れる確率が高く、時には90㎝やメーターオーバーの釣果も上がる夢のようなパターンなのです。
 
ライコは、そんな大型ベイトパターンに焦点を絞り、「シーバスフィッシングをやり込んだエキスパートたちも納得する基本性能に、経験の浅いアングラーでも扱える使い易さを併せ持ったハイクオリティウェイクミノー」をコンセプトに掲げ開発をスタートしました。

ライコが求めた基本性能は大まかに4つ。
①安定した遠投性能
②湾奥部や河川の強い潮流にも負けないアクション安定性
③偏りなく多くの状況に対応できるタイト寄りのウォブンロールアクション
④0~60㎝を自在に操るレンジコントロール性能

どのジャンルのルアーにも必要となるのが飛距離。
ライコは、この手のルアーの中では軽量な42g。

MHパワーはもちろん、MやML(ゆったりキャストであれば)パワーのロッドでも扱える設定ながらも、特殊なリップ形状とファットなボディ、そして丸に近い断面形状により、

平均60m※を超える飛距離を出すことが可能です。

※PE1号、リーダー20lb、9ft6inchのロッドを使用した場合、
5回のキャストの平均飛距離が61mであった。当社計測。

東京湾をはじめとする閉鎖的内湾の湾奥部は特に干満差が大きく、潮流が強いのが特徴。
ライコは、リップ形状からボディ形状、ウェイト配置まですべてのバランスを最適化。

ダウンクロスでも破綻し難いアクション安定性、そしてアップクロスやスローリトリーブでもしっかりアピールできるレスポンスの良さを兼ね備え、激流の中での釣りにも完全に対応します。

ウェイクミノーと言えば、ワイドなウォブンロールで強烈にアピールし、ベイトの群れの中で目立たせて見つけさせるというものが多い中、
ライコが選んだのは、ウォブルを適度に抑え、ロールを増幅させたタイトめなウォブンロールアクション。

場を荒らし難く、低活性時にも効果的というのはもちろん、ワイドなアクションに反応しないスレた大型シーバスにも口を使わせる狙いがあります。

また、ベイトの量やシーバスの活性がわかっていない状況でもパイロットルアーとして投入しやすいうえ、タイトアクション=水流をうまく逃がしながらアクションすることで、強い潮流への対応にも繋がります。

ライコが最適なアクションをしながら泳ぐことができるレンジは0~60㎝とやや広め。

巻き速度やリトリーブ時の竿の角度、使用するリーダーの素材(ナイロンorフロロ)を調整することで自在に潜行深度を操ることができ、状況に合わせて精密なレンジ攻略が可能です。

表層付近を泳がせるウェイクミノーは、潜らせるミノーに比べてリップが立っているのが特徴。
しかしリップが立っていれば立っているほど、飛行時に抵抗となるうえ、飛行姿勢を崩してしまう要因にもなります。

開発最初期、リップ単体でテストしていた時はやはり飛距離は出ず、飛行中も回転してしまっていました。それを解消したのがリップ裏に設けた面。

飛行中、リップに対しほぼ垂直に当たるはずの空気を面がうまく逃がし、整流することで、飛行姿勢の安定化と飛距離アップを実現しました。

ファットでボリュームのあるボディを動かす大きめのリップは、強い流れの中でも破綻し難い安定性と理想の潜行レンジを出すための理想的な形状で設計されています。

しかし、リップ単体では強度が足りず、壁にやボトムにぶつけてしまった場合破損の危険性が高いため、このブリッジ構造が補強構造としての役割を担っています。

このルアーのメインのアクションは“ロール”

ボディを回転方向に動かすこのアクションにおいて、回転軸から遠い位置に重さがあるほど、アクションレスポンスが悪くなるという物理的性質があります。

例えばこの画像のAとBを比べるとどちらの方が回転方向に動かすために大きな力が必要でしょうか。

答えはBです。

慣性モーメント(物体の回転し難さの度合い) の公式は、
[慣性モーメント]=M[質量]×R[回転軸からの距離]2

簡単に言えば、物体の回転し難さは、質量と回転軸からの距離に比例するということ。

ルアーの話に戻すと、ロール(回転方向の運動)の軸から最も遠いのはリップ部分。
アクションレスポンスを高める=弱い力でもアクションさせるためには、リップ部分を軽くすることが効果的ということになります。

そして辿り着いたのが、リップ中央の肉を抜き取り、軽量化を実現したこのブリッジ状のリップというわけです。

ただ一部の方は、「軽くするためなら中空のリップにすればいいのでは?」と疑問に思うかもしれません。

ライコのリップが中空でなくブリッジ状を選択した理由は2つ。

1つは、ロールアクション時にリップ側面にかかる水の抵抗を減らし、アクションレスポンス向上に寄与させるため。

もう1つは、テスト段階においてリップに浮力を持たせ過ぎるとアクション安定性が損なわれ、強い流れでの破綻し難さが不合格であったため。

数々の試作・テスト・失敗・再試作を繰り返し、この特殊なリップへと至ったのです。

とは言えリップを拘っただけでは成立しないのがルアーというもの。

大型ベイトをイミテートしたボディは体高・厚みを持たせたファットな形状

丸に近い断面形状は、空気の流れを安定させ無駄な抵抗を排除し、飛行姿勢の安定・飛距離の向上に貢献します。
 
また、ファットなボディはその分内部の気室を大きくとることが可能であり、浮力を高めることができるため、アクションレスポンスの向上にも寄与しています。
 
ボディ内部には、φ8mmのTG製ウェイトボールによる
重心移動システムを搭載。

飛距離の向上はもちろん、着水後にワンジャークを入れずとも前方の所定位置に戻るため、着水地点からアクション開始までの無駄な移動がなく、有効射程を広くとることができます。

その他のウェイトに関しても、アクションや飛距離、レンジすべてを共立するためにトライ&エラーを繰り返し、素材や位置を微調整して決定しました。

前方には大径スチール球ラトルを配置。
ガラガラと響くラトル音は、広範囲の魚に強烈にアピールします。

また、ナイトゲームにおいては、ラトル音によりルアーの位置を把握しやすく、ルアーの接近に気付かずトップガイドに当たってしまうトラブルを減らすことができるという副産物的効果もあります。

フックを含めた総重量は約42gとやや軽めの設定。
M~MHクラスのロッドが最適ですが、MLクラスのロッドでもゆったりとキャストすれば対応可能です。専用タックルでの使用はもちろん、バーサタイルロッドでも快適に扱うことができる絶妙な重量設定です。

ここには書き切れない細かなポイントや開発秘話もまだまだたくさんありますが、おおよそのライコの概要はお伝え出来たかと思います。
 
2023年10月を発売予定としておりますので、是非ライコの性能・クオリティをご体感いただき、大型ベイトを喰らうランカーシーバスをその手に収めてください。