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ドリフトフライ2.5″エラストマー 実釣から見えた性能/藤田夏輝

皆さんこんにちは。ジャッカルプロスタッフの藤田夏輝です。

ミドストには欠かせないリップ付きのミドストワームであるドリフトフライ。
僕自身、どこのフィールドに行くに必ずBOXに入れて持ち歩いています。

ドリフトフライシリーズには3インチ4インチ5.2インチと様々なベイトフィッシュに合わせられるようにラインナップされていますが、トーナメントフィールドを含む日本各地のフィールドで幾度となく出会う『3インチより小さいサイズのベイトフィッシュ』がメインベイトの状況では対応しきれない場面が多々ありました。

特にワカサギレイクではサイズバランスも重要になってくるので、どうにか2.5インチサイズが欲しいと念を押して依頼していたのも事実です。

そんなドリフトフライ2.5エラストマーですが、実は他サイズとは異なるデザインを施しています。

2.5インチサイズに合わせたアクションバランスについて深掘りしていきましょう。

魅力的なロールアクションとは

ドリフトフライシリーズにジグヘッドを用いたミドストで使ったことがある方はご存じかと思いますが、シェイクしながら巻いてくるこの釣りに関しては、リップが付いていることにより、誰でも簡単にロールアクションが出せるようになっています。

それに加えてロールアクションを出しやすくするために、マルっと太ったボディー形状で設計されています。

これは完成された形状との思いから、2.5インチを設計する上で最初に試したのは3インチ形状のままダウンサイジングしたものでした。

成型品が上がり水槽でアクションチェックを行うと、あまりキレイな動きではない…。

ここからが長いトンネルの始まりでした。

3インチは2.5インチに比べてボディーが長いからか、キレイなスイミング姿勢のままロールアクションを出せたが、2.5インチではアクションのピッチも上がるせいか、片側に倒れるまでのスピードが合っていない。

さらにはジグヘッドのヘッドがリップに近くなり、干渉して上手くセットすることができないことから微調整が必要でした。

ここからの形状とリップ角度、ロールに合わせたテールのバランスは全てフィールドテストの結果から導きました。いわゆる『バスに聞く』という事です。

ライブソナーでバスの反応を見て、修正して水槽でチェックして…の繰り返しです。

2.5インチに合わせたリップ形状

4インチ、3インチとサイズが小さくなるにつれてロールアクションのピッチは速くなっていくのですが、2.5インチまで小さくなると極端にピッチが上がり、水平に近い姿勢を保ちながらスイミングすることが従来のリップ形状では難しいことがわかりました。

リップの角度を立てれば倒れる方向への力が伝わりにくくなりロールしなくなる。

逆にリップを寝かせたらジグヘッドがセットしにくい。

どうしたらいいのか…。

様々悩みましたが、少しリップを立てて設計したサンプルがたまたま凄い立った角度で上がってきました。

『これじゃ思っていたテストができない』と思いながらも試してみると、まさかの素晴らしいアクションだったのです。

これはエラストマー素材だからロールしやすいってことと、ピッチが速いからこそリップを立てる方が早い動きに対応できるという事がわかったのです。
まさに偶然の産物でしたが、ジグヘッドの収まりも良く2.5インチだからこそのリップが完成しました。

偶然出会えた”喰う動き”

僕の中でミドストはただロールアクションをすればいいというわけではなく、水押しも大切だと考えています。

一度傾いて次の入力で反対方向に倒れる動きの中に水押し強くするために、ボディーの体高を上げて、扁平気味に設計していきました。

すると、ある一定のところで“これだ!!”と思える絶妙なアクションに出会うことができ、すぐにフィールドで試すと今まで難しいと感じるエリアのバスたちが追ってきて吟味して最後にバイトに至ったのです。

これはライブソナーの釣りをされる方はわかるかと思いますが、近くを通したときに反応が鈍かったり、長い距離追ってくるだけのバスが最後にバイトするのはなかなかないこと。

その日の津風呂湖のテストは50クラスが5匹、その後の琵琶湖テストではロクマルが2本も飛び出すくらいまでに仕上がりました。

エリーゼをテストしている時も同じ感覚でしたが、小さいベイトサイズに合わせたルアーは極僅かな差でバイトまで至るか否かがハッキリ分かれます。

喰うアクションを煮詰め、ボディー全体をリバランスしたドリフトフライ2.5エラストマー、発売は7月を予定しています。お楽しみに。