COLUMN
コラム

専用タックルでディープドテラを快適に

激流ぅー、爆流ぅぅぅううう♪
鯛ラバ大好き、田中亜衣ですっ。

寒さのピークも超えたかな?
海況も良くない日が続いてますが、皆さんは、良い釣りをされてますか?

海は本番直前な雰囲気ムンムン。
大釣りのチャンスがあるかもですよぉ~♪

というアタシは、ホームと外海を行ったり来たり…

特にね、この時期は冬型の天候でなかなか出れないけどディープドテラを楽しみに出かけることが多いかな。

ディープドテラのコラムはこちら
https://www.jackall.co.jp/saltwater/column/5211/

それに、今期発売の鯛ラバロッド
「VCMシリーズのディープドテラ専用スペック」がとうとう完成したので、いつもよりテンションがあがっちゃってね♪

そんな訳で、今回は出来たてホヤホヤのディープドテラ専用スペック
VCM-511SULVCM-511Mについてのお話をしたいと思います。

ディープドテラでロッドに要求されること

一つ目は「しなやかさ」

これはディープドテラだけではなくバーチカルの釣りでも言える話なのですが、バイトしてきた真鯛に上手くフッキングをするには、基本的には巻き合わせが有利です。
雑味のある調子のロッドだと、真鯛の硬い部分にフックポイントが掛かった時に強引に貫こうとしてしまい、その結果、深くフッキング出来ずにフックが伸ばされて広がってバレちゃいます。
その点、しなやかで淀みのないベントを持ったロッドは、魚体の柔らかいところを選び、ゆっくりと深くフッキングをしてくれます。 (硬い部分にコンタクトしても刺さろうとせず柔らかい部分を探し続けます)

というわけで、「しなやかさ」というのはロッド作りには欠かせないファクターなのです。

二つ目は「粘り強いバットパワー」

ディープドテラの舞台となる外海。
高い波のウネリ、強風や潮の流れ、あと重いヘッドを何百メートルも飛ばした時にかかる水圧、大型の真鯛や青物とのファイト…

バットにトルクがないと話になりません。

三つ目は「体力消耗の軽減」

どんな屈強な男性でも、気象条件のキツい日にはそれなりに疲れるのがディープドテラ。
先程述べたように、重いヘッドを遠くに飛ばして釣るのですが、条件によってはその距離が500メートル以上出して誘う場合もあります。

また、ポイント移動なんかで回収するのも結構な労力を必要とするし、ましてや釣れたら釣れたで、そのファイトは持久戦になり体力はかなり消耗します。
それを解決するのがロッドの長さなのです。
短いロッドは長いロッドより楽に支えることが出来ます。

これは「テコの原理」を考えてもらうとピンとくると思います。

リールを巻く腕も疲れますが、実際にはロッドを支えている腕の方が疲れます。
潮の流れが早く風も強い日には、屈強な男性でも巻きに疲れが出てますもんね(笑)

ディープドテラにおけるロッドに求められることの代表的なものは、この三点なのですが、これらを全クリアしてイメージ通りのロッドを作るのは、ほんと難しくて苦労しました。

例えば、ロッドの長さをただ短くすると今までしなやかだったものが雑味が出て性能は目指すところから遠く離れて使い物になりま
せん。

ロッドを短くすると言う事は、簡単に言うと、10人でやっていた仕事を6人でしなければならないみたいに、人数が少なくなった分、一人一人に求められる仕事量は増えるため、全員のスキルをアップするというニュアンスなのです。

そして、いろんな壁にぶちあたりながらディープドテラでのロッドに求められる全てのことを「素材」「調子」「ガイド」「グリップ」「リールシート」に詰め込み、ようやくVCMシリーズの「ドテラスペシャル」の登場

硬さの違う2アイテムが出来上がりました。

2つのロッドの使い分け

VCMのディープドテラ専用スペックは、硬さの違う2機種を用意しました。

使い分けはズバリ「フックサイズ」

ディープドテラでは手元からルアーまでの距離がかなり離れているため釣り人側が意図的にするフッキングというのはあまり意味がありません。
あるとしたら追いアワセ程度の行為くらいで、リールを巻きながら魚の重みを感じてロッドをゆっくりと起していく「巻き合わせ」が理にかなっています。

そうなると、実際にフッキングするのはロッドの力になってくるのです。

フッキングのメカニズムは、まずバイト時にフックポイントが魚体に触れます。
触れた場所が頰などの硬い部分だとします。 その時、必要以上に張りのあるロッドだと魚体の硬い部分に無理やりフックポイントを刺そうとしてしまって結果的に刺さりが浅くバレの原因となったり、完全に刺さらなくても魚に違和感を与えてしまい見切られたりもします。

フッキングの際にゆっくりと徐々にトルクがかかる「しなやかさ」というのがロッドの最大の仕事なのかもしれません。

柔らかくてしなやかなロッドが魚体を深くエグるフッキング

そんなイメージです。

そういうことからもロッドの弾性とフックサイズのバランスは釣果をあげる重要なファクターで、まずは使いたいフックサイズに合わせたロッド選びが必要です。

簡単に2本の使い分けを説明すると・・・
VCM-511 SUL
2本のうち、このモデルが標準と思ってもらえばいいです。

推奨フックサイズはグレ針で言うところの10~6号。
小さなフックの利点は、先ほどの話で述べたように、柔らかいところをフッキングするためには欠かせないアイテムです。

小さなフックは、大きなものに比べてゲイブの幅が狭く頬などの堅い部位にコンタクトすることはありません。 比較的、柔らかく凹んだところにコンタクトするまで針先が魚体に刺さろうとはしません。
小さなフックをフッキングさせるのには力はあまりいらず、柔らかなロッドで十分なのです。
むしろ柔らかいロッドを使うことにより、低活性の真鯛がバイトしたとしても張りのあるロッドに比べて真鯛は違和感なくバイトをし続け、そのうちにテンションが上がり強いバイトの末、フッキングに至るのです。

特に、遠くに飛ばさないとバイトしてこない低活性な真鯛には有効な一本です。

VCM-511 M
SULと比べて全体的に張りのあるモデル。
もちろん、しなやかさは健在です。
張りのある分、大きめのフックを使用するときに使用してもらうといいでしょう。

推奨フックサイズは、グレ針の13~10号。511SULと比べて張りがあるため大きなフックを使用するときに向いている一本。
大きなフック、つまり「511M」を使うシチュエーションはというと
例えば、ベイトがイワシやイカなどについている時、真鯛はいつもと比べて「ガツン、ガツン」とした荒いバイトをします。 大きく口を開けてベイトを追い回し鋭い歯で押さえつけて捕食するため、そのような強いバイトを感じるのです。
そんな強いバイトを感じたらフックサイズを上げてみてください。

大きな口を開けて鯛ラバを追うのでフックは口の中の柔らかい部分にインパクトする確率が高いです。そうなると小さなフックより大きなフックのほうがトラブルが少なくなります。

鯛ラバという釣りが定着し、その釣りが確立されて来てはいるのですが、まだ間違ったイメージを持たれていることが・・・

大きな魚を釣りたいから硬いロッド(大きなフック)

重たい鯛ラバを使いたいから硬いロッド(大きなフック)

一見、そう考えがちなアングラーはまだいらっしゃるのですが、これでは鯛ラバゲームの本筋とは違ってきます。

真鯛の口周辺の柔らかい部分にフッキングしないとキャッチ率が上がらないといった鯛ラバゲームの独特な性質から、バイトの仕方(ベイトの違いや口の開け方)でフックサイズをそのような観点からチョイスしてそれに合ったロッドを選ぶことが今のベーシックだとアタシは考えます。

実際に80センチを上回る大きな真鯛でもイワシなどについていないときはフックサイズは8~7号という小針を使っていることが多いですが、しなやかな柔らかいロッドとのバランスでフックは口元の柔らかい部分をエグるように深く刺さり伸びることなく安定した釣果を得ています。

皆さまも「フックサイズとロッド」のバランスセッティングを体感してもらい、BIG REDを釣り上げてみてください。

きっと、新たな鯛ラバゲームの扉を感じてもらえると思います。

それでは皆さま

良い釣りを…♪