

RGM STYLE



チェックインしたのは京都府南丹市の「GRAX」。キャンプサイトや食器、調理器具など、すべてレンタルできるので、最小限の荷物でアウトドアが楽しめる。冷えた体を癒す温泉まで完備。

澄んだ空気のなか味わう
小さなアタリと熱いコーヒー
久しぶりに休みが合った友人たちと、流行のグランピングに出かけた。道中で晩ご飯用の食材を購入し、薪も多めに仕入れる。
「あの川、魚が泳いでいるね」。名も知らぬ川を横目にキャンプサイトへ急ぐ。でも、心を占めるのはバックパックに忍ばせた1本のロッドのこと。チェックインしたら、早速例の水辺に繰り出した。
たしかに、ようようとした流れのなかにいくつか魚影が見える。静かに糸を垂らして、じっと水面と向き合う。乾いた頬を撫でる、湿った風が気持ちいい。しばらくすると手首に心地よい刺激が走る。


左:いろいろと揉めながらも友人たちとつくるディナーは、工程を含めてキャンプの醍醐味のひとつ。RGMのロッドで大物を釣れば、メニューが一品増えて盛り上がる。右:満腹になったら焚き火を囲んでフリートーク。澄んだ空気のなか、星空を見つつ、片手にはビールやコーヒー。いつも以上に腹を割った話ができそう。


左:勘と経験を頼りにベストスポットを探索。不安定な足場は、人の手が過剰に加えられていないからこそ。右:大きくはないが、十分な手応えがうれしいカワムツと出会う。
ファーストヒットはカワムツだ。ジャリジャリと小石を踏む音に振り向くと、タンブラー片手に仲間が笑っていた。
「メインディッシュにするには小さすぎるな」。せせらぎ聞きながら、淹れたてのコーヒーに舌鼓を打つ。「そろそろ戻るか」。釣果は派手ではない。でも、偶然出会ったスポットで見たはじめての体験。きっと忘れないだろう。
マグライトをモチーフとした、スタイリッシ ュなルックスに物欲が刺激される。カラバリも豊富なので、ファッションや気分に応じて使いわけたい。


CONCEPT RODspec.2
クッション性にすぐれたEVA素材をグリップに使用。握りやすいので、いかなる環境でも安定して捌ける。アウトドアギアを彷彿とさせる無骨なルックスも特徴。
CHECK ITEM

都会暮らしのおかげで、道端の花や澄んだ空気に気づけた。


右:相変わらず元気な桜島を海越しに確認。左:近所のお婆ちゃんたちに挨拶するため市場へ。素早い作業ぶりに改めて感心する。
父との思い出の場所で
もう一度、あのころの気持ちに
「いつでも構わないそうよ」。スマホから聞こえる母の声。
三日間の休暇を利用して、何年か振りに帰省する。故郷の海は東京湾ほど冷たくない。子どものころにはたびたび父と釣りを楽しんだ。思春期までは。
混雑とは無縁のローカル線を乗り継ぎ、懐かしい駅に降り立つと、今まで意識しなかった景色に驚く。なびくそよ風、道端に咲く花、高い空。玄関では母が笑顔で迎えてくれた。父が居間で寝転んでいるのが見える。
「このまま堤防まで散歩してくるね」。
バッグからアウターと釣り竿を取り出す。気配を察した父が立ち上がり「行こうか」と、上着を羽織った。下駄箱の上にはタックルボックスと釣り竿。父が祖父から受け継いだ、とっておきの竿だ。
10数年ぶりに並んで釣り竿を揺らす。早々にカサゴを釣り上げた父は、自慢気なのが隠し切れていない。ここで何度も見た表情。魚たちも同じ。子どものころと同じように一緒に遊んでくれた。


左:かつて父と並んで糸を垂らした、いつものスポットに到着。昔と変わっていないのがうれしい。 右:釣果も10数年前とほとんど同じ。




左:釣りやカヌーを楽しむ人々に気付いたら、自分でもやりたくなるのは自然なこと。 右:普段は通り過ぎるだけの景色でも、意識すれば遊び場が見つかる。
CONCEPT RODspec.3
タナゴ竿や小物竿とも呼ばれるコンパクトなモデル。江戸時代から続くスタイルを、コルクグリップやメタルパーツで現代風に解釈した。和洋折衷のさり気ない遊び心もポイント。
CHECK ITEM
見なれたいつもの風景に潜む
充実した時間をすごせる遊び場
いつも自転車で通りすぎる隅田川沿いの道。でも、今日は趣向が違う。ゆっくりとペダルを踏み、川の流れにじっくり注目する。愛用のメッセンジャーバックのなかには、手に入れたばかりの釣り竿。落ち着ける場所を見つけたら、ワクワクしながらセッティング。本気のタモやビクはいらない。シンプルな仕掛けのロッドを川面に写すだけ。幹線道路を走る車の排気音、学校帰りの子どもたちの遊ぶ声。普段聞き慣れた音が、少し遠くに感じられる。

アタリがなければ散歩がてら気ままに移動を。意外な風景、スポットを発見するのも楽しみのひとつだ。


左:複雑な仕掛けがいらずビギナーでも楽しみやすいハゼは、気軽なアーバンフィッシングにぴったりの友人。 右:ウナギやハゼといった底生魚だけでなく、ボラがヒットすることも。
サイズと釣り合わない大きなアタリで、ハゼが挨拶してきた。子どものころ父と狙った、懐かしいターゲット。当時より小ぶりに思えるのは、自分が大きくなったからか。
数匹釣り上げると、すでに夕暮れどき。本格的に暗くなる前に、エラ呼吸の友人たちとはさようなら。再会を一方的に約束して家路に着く。ハンドルを握る手は、まだ竿の感触を求めている。「大丈夫、またすぐに遊べるよ」。

CONCEPT ROD spec.1
淡水域で使い勝手の多い 210cm / 240cm / 270cm / 300cm のレングス設定。まるで工具や重厚な筆記用具を彷彿させる、凛々しくも無骨すぎないメタル製のコスメティックとスリリングに、楽しめる調子は秀逸。
- Length
- 210cm / 240cm / 270cm / 300cm
- Color
- 5 colors

CONCEPT ROD spec.2
淡水域のマスのルアー釣りから、海水域の大物狙いまでをカバーする振り出し型ロッド。バックパックや出張のキャリーバッグのなかに忍ばせてもジャマにならないコンパクトさは、あなたの自由なスタイルをさらに広げるはずだ。
- Length
- 5.5ft / 6.5ft / 7.5ft
- Color
- 5

CONCEPT ROD spec.3
お箸ほどのコンパクトな仕舞寸法と、扱いやすい調子で小場所の小物釣りにマッチする一本。暖かみのあるコルク素材のグリップに日本古来の和竿やハンドメイドのフライロッドを彷彿する艶やかなテイストは所有感も満たす。
- Length
- 120cm / 150cm / 180cm
- Color
- 5