COLUMN
コラム

ジャッカルルアーを支える、小さくて大きな存在。

ジャッカルの歴史において、これまでいくつもの画期的なアイテムが生み出されてきました。

「ワームは真っ直ぐであるべき」という固定概念を崩した”フリックシェイク”、時代に先駆けてエラストマー素材と形状記憶ワイヤーを使用したソフトとハードのハイブリッドルアー”MASK”、成形高比重タングステンウェイトを口部にセットするOMS(アウトメタルシステム)を採用した”TNバイブレーション”など、ルアーフィッシングシーンに大きな影響を与えたアイテムが存在します。今回のコラムでは、創業当初からジャッカルルアーを支える、小さいながらも大きな意味をもつアイテムをご紹介します。

 

そのアイテムの名は”オーバルリング”。ルアーとラインを結ぶアイの部分に取り付けられた楕円形状のスプリットリングで、ジャッカルが独自に開発したものです。

市場に存在する多くのメーカーが真円形状のスプリットリングをラインアイの部分に使用することに対し、なぜジャッカルはオーバルリングを使用するのか?。それはルアーのポテンシャルを最大限に引き出すために他なりません。

 

オーバルリングはその名のとおり楕円形状(オーバル)になったもので、フロント部のラインアイ専用として開発されました。この形状によりラインを結ぶ位置が決められるのですが、ここで注目いただきたいのが単線と複線の両方が存在していることです。

 

これはルアーの頭部にあるラインアイに接する部分を単線にすることで、入力支点が1ヶ所になることで、よりキレのあるアクションを生み出します。一方のワイヤーが二重になって複線になっている部分はラインを結ぶ側で、両方をまとめて結ぶ事で荷重が掛かった際のスプリットリングの開きを防ぎます。

 

ちなみに、このオーバルリングに使用している素材はステンレス鋼のSUS304で強度も十分。さらに通常の真円形状のスプリットリングやスナップより太い線材を使用するなど、プロアングラーのハードな使用まで想定した設計といえるでしょう。

 

ロッドやルアーの様に目立つ存在ではありませんが、スプリットリングという小さなパーツひとつにしても徹底した検証と、妥協のないモノづくりがそこに存在します。それが「あなたの心に残る”思いがけない発見”の為に変わることのないジャッカルイズムなのです。