Photo × Fishing 飛騨の渓流を歩いて。 28.05.2018

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  • ジャッカルのプロスタッフ水野浩聡。普段はバスフィッシングをメインの釣りとしているが、最近は、それに限らず様々な釣りにトライし、活動の幅を広げている。
    そんな水野が始めたのが”カメラ”。
    「僕がカメラを始めた理由は、取材やロケなどで全国のロケーションの良いフィールドにお邪魔することが増えて、その時に出会ったロケーションや瞬間って言葉や文章だけではどうしても伝わらない部分っていうのが絶対にあって。そういう空気感や雰囲気までより鮮明に、少しでもその良さが伝わるようにと思って始めました。」

    今回は、岐阜県飛騨地方を訪れる。
    「実は、岐阜県在中なのに飛騨地方には行ったことがない。渓流釣りが盛んだと聞いています。渓流釣りはほぼ始めてですが、ロケーションはもの凄くいいのは知っていてすごく楽しみ。カメラで撮るにはもってこいですね。あとは釣れるかどうか笑」
  • 岐阜県北部に位置する飛騨。3,000m級の山脈が連なる山岳地帯で、冬は雪が多い日本海型の気候。
    古くから、この地は渓流釣りのメッカとして知られている。平均水温が低く、冷水に強いイワナやヤマメなどが多く生息している。
    エントリーできるポイントも多数あり、ビギナーからエキスパートまで楽しめる懐の広さも魅力とひとつなっている。
  • ジャッカルのトラウトブランド「TIMON」のフィールドスタッフ中村行雄が、フィールドを案内する。中村は20年以上のキャリアを持ち、全国の渓流フィールドを釣り歩いている。
    今回は、飛騨地方を流れる宮川の支流と本流を中心に釣りをする。
    宮川では、支流を中心に5000kg前後の放流が年に数回〜数十回行われ、ヤマメ、イワナ 、ニジマスなどが放流されている。1年を通して(禁漁期間は除く)釣りが楽しめるフィールドだ。
    「ここは、十分な量の魚が放流されているので、初心者の方を案内するならまずはここに連れてきます。やっぱり釣れて魚に触れることが一番楽しいですからね。」と中村は語る。
  • 訪れたのは5月下旬。宮川の支流となる川へエントリーした。
    この日は最高気温が27度と夏日となったが、
    入水すると、ウェーダー越しに力強い水の流れと冷たさを感じる。
    鮮やかな新緑と心地よい風。
    全身で自然を感じながら、キャストを開始する。

    渓流釣りの基本は、川の中を歩きながら釣り上がって行く(もしくは下がって行く)。
    緑と水に囲まれた世界は、街中では決して味わうことができない体験をもたらしてくれる。
  • ミノー「トリコロールGT」をキャストし、細かくトゥイッチを入れながら、リトリーブする。水がクリアなため、ルアーのフラッシングも、それを追いかけてくる魚の様子も丸見えだ。しかし食わせられない。
    中村からのアドバイスが入る。
    「水野くんの動かし方がちょっと早いね。水の中にミノーがいる時間が短い。トゥイッチでフラッシングさせるんだけど、バス釣りのイメージでいうと、水中でドッグウォークさせる感じだね。」
    水野の普段の釣りはバスフィッシング。無意識に自分の中でルアーを動かすリズムが出来上がってしまっているようだ。

    さらに中村は続ける。
    「流れのヨレ、岩のキワ、シェードなど、同じポイントでもコースを変えて何度も通した方がいいよ。せっかくウェーダーを履いてるんだから笑」
  • アドバイスをもとに、誘っているとついにあたりが。
    川の流れの中で、逞しく生きる魚の力強さが、抵抗となって手元に伝わってくる。
    上がってきたのはヤマメだった。
  • 水野にとっては人生初のヤマメをさっそくカメラに収める。こういった魚や瞬間の体験をカメラに収めることで、いつでも初心に帰ることができるという。
  • 水野が実際に撮影した写真。やや小ぶりだが斑紋模様が美しい見事な一匹。

    サクラマスの中でも降海せずに、一生を川で過ごす個体がヤマメとされている。
    体の模様は、小判状の斑紋模様(パーマーク)があるのが特徴で、平均サイズは20cm程度だが、40cmを超える大型になるものも。
  • 少しずつ渓流での釣りに慣れてきた水野だったが、やはり長年のキャリアを持つ中村には敵わない。同じ竿、同じルアー(カラーも同じ)を使っても釣果の差は歴然。
    水野が1匹釣る間に、中村は5匹以上釣ってしまう。
  • 次は本流へ。本流は川幅が広く、大きな岩が多数あり、流れが複雑に入り組んでいる。そのためよりテクニカルな要素が求められる。魚も広く散っており、少ないチャンスをものにしなければならない。
    だが、本流の激しい流れを生き抜いた大物がヒットする可能性があるという。
  • 釣りを開始したが、しばらく沈黙の時間が続く。
    しかし、ルアーを岩の陰に通した瞬間、水野のロッドが大きく弧を描く。リールのドラグ音が激しく鳴り、いままでの魚とは異なるサイズであることは明白だった。
  • 激しいファイトの末、上がってきたのは両手では収まらない56cmの大型イワナ 。精悍な顔つきと見事な体躯の一匹だ。しかし、ルアーのフックは口ではなく、"ヒレ"にスレがかりしたものだった。

    水野「こんな魚が本当にいるんですね。さっきまでの魚とは別物。スレがかりなので僕の中ではノーカウントなのが悔しい。」

    中村「でも間違いなく最大クラス。本当に一生に一匹釣れるか釣れないか。それくらいの見事な魚。記録にはならないけど、記憶には残る一匹だね」
  • 「ちょっと教えてもらってもいいですか?」
    魚をリリースして一息ついているときに、水野はロケに同行しているプロカメラマンに、撮影のコツを尋ねていた。

    試しにロケに同行したプロカメラマンに、水野のカメラを使って同じ被写体を撮影し、どれくらい違いがでるのかを試してもらった。

    左が水野撮影。右がカメラマンが撮影したもの。
    水野が撮ったものは、ピントが奥の黄色いルアーにあっているのに対して、カメラマンがとったものは一番手前のピンクのものにあっている。

    さらに構図も異なる。
    水野の写真は、画面の左下にルアーがあるのに対して、カメラマンの写真は中央よりだ。

    こうして比較すると、水野の写真は、ピントや見せたい対象物が散らかっているため奥行きがなく、のっぺりした印象、あるいは目線が定まらず不安定な印象だ。これにたいして、カメラマンの写真は、奥行きがあり、写真としても安心感がある。
  • カメラマンに構図や撮影のコツなどを教わって、再度撮影。

    濃い色の岩肌をメインにもってくることで、コントラストを作り出した。背景の水のきらめきがよりいっそう際立ち、ボケていても水辺とわかる写真に仕上がっている。
    ピントもルアーにあたっており、メリハリが効きつつも安心感のある写真に仕上がっている。

    「まだまだカメラを使いこなせてませんね。でもこうやって何かが上手くなっていくことを実感できる機会っていうのは、大人になるほど少なくなってくるような気がしているので貴重です。ちょうど釣りを始めて、ハマっていったときの感覚を思い出しますね」
  • 茂みからカメラを覗く水野。レンズを通して釣り場を見ると、普段とは違ったものも見えてくるようだ。

    「理論やテクニックも大事だけど、美しい自然や生命感あふれる魚体、釣りのかっこよさなど。ただ釣るだけでなく、釣り本来が持つ魅力を色んな方向から最大限伝えていきたい。
    今までは、魚を釣って写真をとったらOKみたいなところがあったんで・・・カメラを始めて、それじゃ不十分だったと感じますね。」
  • 今回使用したルアーはTIMON「トリコロールGT」シリーズ。
    渓流の速い流れの中でも動きが破綻せずに泳ぎきり、フラットなボディ側面は光を反射し、強烈なフラッシングを生んでアピールする。
    ロッドは、6~7ft程度の渓流用ロッド。ラインはPE0.6~0.8号+リーダーはフロロカーボン8lbを1mくらいの長さでセットする。

    釣り場への最寄り駅は「飛騨古川駅」だが、移動を考えると車の方が利便性がよい。「名古屋」や「岐阜羽島」から車で2時間ほどでアクセスできる。
    釣り場や遊漁券に関するお問い合わせは「宮川下流漁業共同組合」まで。
    〒509-4404 岐阜県飛騨市宮川町巣之内25番地1
    TEL.0577‐63‐2139

    美しい景色と魚たちが迎えてくれることだろう。
  • 水野が撮影した写真は自身のinstagramでも公開中。釣りやアウトドアなど、”外遊び”のヒントが満載だ。

    水野浩聡 instagram
    https://www.instagram.com/hiroaki_mizuno0902/
    もしくは
    instagramアカウント「hiroaki_mizuno0902」で検索。